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zoom RSS 『旅鴉』 -PRIDE-

<<   作成日時 : 2010/09/15 05:53   >>

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画像そこに見えるは義理?人情?
いや、そうじゃなくて、それもあるけど、
それよりもきっとこれじゃなかろうか、
― プライド。
それは己が生きてきた道、
己という人間を己にしているモノ…“ナカミ”=己。
それは時に他人からは只の自己愛としか見られない
…かもしれないけれど、そうじゃなくて、
ただ、ただ「己」。
それは、己が生きていくということ、その生き方…生き様。
そんなのが、2人の旅鴉と、1人の百姓にーちゃん、
…いや、それを演じる役者から伝わる気がする。
だからグッと来る、『旅鴉』。

大衆演劇のお芝居で好きな演目がありまして。

いや、この言い方は違うな。

このお芝居を観てから大衆演劇のお芝居を、
いや、大袈裟かもしれんが
「大衆演劇」ってモンを面白く思うようになりまして。

いやいや、これもちょっと違うな。

これまでいろぉーんなお芝居・いろーんなジャンルの演劇というものを
観たり、時には演じたりもしてきた中で、
一番!と言うと言い過ぎかもしれませんが、
ベスト何に入るお芝居がありまして、
うん、これは大袈裟でも言い過ぎでも調子乗ってる訳でもなくってね。笑

それが『旅鴉 日光の円蔵と国定忠治』という芝居なのです。

ああ、これはワシが観たその劇団でのタイトルなので、
他の劇団ではもしかしたら違う名前でやられているかもしれません。

試しにちょこっと検索してみたら、『忠治流転笠』かな?あ、あと、『その後の忠治』ってのも?
そんな題でやってる劇団もあるみたい。

が、劇団によって、居る座員のレベルや数で細かい設定や筋も変えているだろうから、
必ずしも同じ芝居かはわかんないや、
あ、でも他んとこのは観てないしどうでもいいっちゃいいや(えー!笑)。

お芝居や演芸の世界ではお馴染みの、国定忠治のおはなし。
(正確にはお芝居で言うと忠治は主役ではないと思いますが)

でもバリバリ、イケイケの頃の忠治ではなく、
落ちるところまで落ちてぼろぼろに…身も、心もぼろぼろになった忠治。

かつては「神様」と崇められていた。
なのに、追われ、ボロを身にまとい、
乞食から食べ物を奪い、自慢の刀すら食うために売っちゃった忠治。

― こないなったのは誰のせいだ、何のせいだ、なぜ、今、俺はこんななのだ、な忠治。

そんな忠治の、おはなし。

そんな忠治の前に現れるのが、かつての一の子分である日光の円蔵。

そして、ヤクザに憧れるへなちょこ百姓にーちゃん。

そして、ちいさなちいさな、毎日芸をすることで生きている角兵衛獅子の姉妹。

そんな、おはなし。

― 目の前にいる、この身も心もぼろぼろの忠治は

…ホンモノ?

ホンモノと認めていいですか?

もしホンモノならば、本当にホンモノならば…。

信じたい。

でも信じていいですか?信じて…いいんですか?

信じたらあかんのちゃうか。
それは自分のためではなく、忠治のために(にとって)。

いや、でも、信じたい。信じる。

だって…これはまぎれもなくホンモノの忠治なんだもの。

けれどさ。

信じてるねんけど、信じてるから(こそ)

どうしたらええんや。

こうしたい。
でもこうは出来ない。
自分はそうしたいけどそうしたら…。

ほなこうするしかないんだ。
いや、
こうすることがきっと
これまで忠治だった、そして今、姿かたちはこうであっても忠治、

そしてこれからも忠治であり、あり続ける、あり続けてほしい忠治のため。

そしてきっと己のため。

そうして生きていく、明日も生きていく、生きていかないけない、いや、生きる。

そんなおはなしなんです。

…って、えー!

うはははは。笑

あ、いや、だって、筋を書くのは反則だと思うんですもの。
お芝居の筋を書くなんて無粋の極み、
その面白味の半分くらい、いやそれ以上をきっと奪うことになる。

そんなこのお芝居をワシはね、これまでに実は2回観たことがあるんです。

同じ劇団で。

でも配役違いを。

1回目。惚れました。

こんな芝居をかけている役者さんらに、劇団に、いや、“大衆演劇”に。

正直、そのときの配役には少々無理があって。
それは年齢やキャリア的なもの(なので悪いことはなく仕方のないこと)なのですが、
が、このお芝居に、

忠治に円蔵に…旅鴉の生き様に、

そして、その役姿から漏れる、それを生きる

旅役者という芸人に。

そしてそんなん舞台が毎日かけられて生きている旅芝居というのんに。

惚れたのです。

以来、この、芝居だけを取り出すとちょっと無理はあったものの、
でもそんな「型」ではなくグッときた、
この劇団このキャストによるこの芝居が忘れられなくなったの。

そして、2回目。
これがかかると知って駆け付けた2回目ね。

忠治…別の役者に替わっていました。(それにともない百姓にーちゃん役もですが)

1回目に心酔していたワシは「えー!」でしたよ。ええ、「えー!」でしたとも。

芝居的にキャスト的に、冷静に観たら、この2回目のが出来、ええのにさ。笑

ねー、怖いですよね過剰な思い入れが入って美化されちゃう1回目って。
(いわゆる小劇場や商業演劇で再演がウケない理由〜。笑)

ちっくしょ。誰だよあの忠治は。と多少なりとも思ったが
でもやはりこの芝居は、ああ、良かった。
そしてその忠治さんも、ああ、うん、とても、良かった。笑

でね&でもね。笑

あれから好きになった劇団、
そこにいる皆が好きになったその劇団、
そして“大衆演劇”を
ぼちぼちなりとも“そういう目”で観続けるようになって…いくうちにさ、

芸、芸人、生きるってこと、芸で食うて生きていくこと。
それを、舞台に立つ晴れやかな笑顔の彼ら彼女らから滲む何か、から受け取るうちに、

3回目が!

ああ、他じゃなくてこのお芝居…
ワシにとって「虚」と「実」の何かがリンクして見えるこの芝居だからこそ

3回目が!

観たくて仕方なくなりました、

うん、なってきているのです。

…が、これがなかなか当たらないのですけれども。笑

ちくしょう、毎日お芝居日替わりの脅威のお客さん第一主義の大衆演劇め。

でもしかしね、

ワシに最近特にそう思わせるのは、

あの、2回目の忠治さん、なのです。

…えー!笑

うん、でも、なのです。

…わー!笑

観ていくうちに、
そんな目でいろんなもんを追い、観ていくうちにさ、

思い返せばあのときあの熱演を見せていた忠治さん、

その舞台から見える(…ような気がする)ものに

ああ、

まるであの忠治に憧れる百姓にーちゃんのように男惚れしたのかもしれない。

で、ああ、そんな“忠治さん”のあの忠治を、今を、これからを…観てみてぇなぁ。

…なんて、サ。

…が、これがホントに当たらないのですけども。笑

でもだって、たぶん、きっと、とても似合っているんじゃないか。

ワシは、そう思うんだ。

あの、人間臭くもほんまに格好いい忠治。
そして円蔵。…ってあれぇ?いやいや、でもね。笑

― プライド。

プライドで、プライドだけでメシは食われへん。

いかに名刀である小松五郎義兼だって売りたくない、けど売らないけない、
けど、刀は売ったけど、己ぼろぼろんなったけど、
でもそれでも己という人間を己にしているモノ…“ナカミ”=己、

そうして生きてきたそれは、それでも絶対なものに違いない…のではないかなぁ。

そしてそれが、それこそが旅鴉、役者、いや、

“人間”…なんじゃ…ないかなぁ。(ごまかすのって卑怯?苦笑)

だからね、

だからさ、

やっぱり、
やっぱり好きです。

好きなんです、

『旅鴉』が。

あの忠治、いや、あの旅鴉が。

うん。

…しかし、これがなかなか当たらないんだよなぁ。あー。笑

まだまだ、ああ、まだまだワシに力が足りないのかなぁ。

悔しいなぁ。

ちくしょう。

…なんて、思うか!ちくしょう!



だからね、

あ、「だから」じゃねぇな、

でもね、

でも、ワシだって、役者じゃねぇけど、カラス、一匹の旅鴉なのです。

忠治…までは及びやしないけどさ。

でも、フリーで、書いて生きてるワシは、そんなワシもまた旅鴉。

覚悟を決めた旅鴉は追分鴉でもある、いや、ただの追っかけ鴉か?!

わはは。

え?忠治は誰って?そんなの教えない!やーい!笑

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旅鴉…追分鴉…あ、伊豆の佐太郎ならこないだ番組でかけました(関係ねぇ)
ちなみにこの芝居のBGMは平井堅でしたが、今回の記事のBGMは今井美樹で!(プライド繋がり。笑)

写真はその劇団と関係ありません、が、鴉姿がキマってたので使わせていただきました。笑

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桃花舞台
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桃花舞台
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桃花舞台
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桃花舞台
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桃花舞台
2015/04/26 14:21

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コメント(11件)

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桃さん、今日は♪
どこの劇団か、気になるなぁ…。あそこ(笑)?

ところで、あさって夜10時からの「うぬぼれ刑事」に、中村七之助さんが大衆演劇役者の役で出演するそうですよ!

その七之助さんに大衆演劇のお化粧を教えたのは、以前荒城直人(NAOTO)として活躍していた石橋直人さんですって。

ミニ情報でした(^^)

みかん
2010/09/15 11:08
えー。みかんさんがそれ言いますか?笑

荒城直人さん、何度か観たことあります。
男前な。大衆演劇を離れた今もご活躍なのですね。
荒城さんでもいいな、と思ったお芝居ありますよ。
特別狂言やとかそんなのではなく、
ふつーーの芝居、火消しの組のおはなし。
あれも滲んだりで、妙に素敵にリアルな感じがして。
桃♪⇒みかん様
2010/09/15 14:59
このお芝居は、きっちりしたのは観たことあるかなぁ。
長年観てる劇団は、私が好きなお芝居やらないんですよね(笑)股旅物の極付とか。 

語弊があるかもしれないけど、大衆演劇の役者さんも、ある意味
やさぐれもん的―今は皆さん立派な家持ちだけど―なところがあるから、旅鴉姿なんてのが、似合うのかなぁ。 

落ちぶれた忠治なんて、ちょっとやそっとの役者じゃ無理でしょうね。
落ちぶれたとはいえ、正に矜持忘れず。
でも、座長はやらないだろう重要な役が、出来るポジションの役者さん、少なくなったし、不遇のような気がします。

まの
2010/09/15 20:46
落ちぶれた忠治。
姿かたちや見た目、
他人から見たそれは過去よりも落ちているかもしれないけれど、
でも、そう、矜持忘れず…それはきっとまさに「忠治」なんでしょうね。

恰好いい。

と、書いちゃうと言葉軽くて、うまく伝わらなくて悔しいけれど、

うん、でも、恰好いい、

好きです。

旅鴉、旅鴉姿、良いですね。極付だなぁ。
桃♪⇒まの様
2010/09/16 04:28

では、そんな生き様を見せてくれる
何処の彼とあなたと私にも

♪今日までそして明日から       by 吉田拓郎@闘病中を 

まの
2010/09/16 14:18
わぉ、吉田拓郎!
この歌は先日友人が出演していた小劇場の芝居で
BGMで使われていてね、
それで知りました。「うおうっ」ってなりました。

その劇団はその前の公演で同じく吉田拓郎さんの
『オヤジの唄』も使ってたんだ。

…ああ、“ぴったり”だなぁ。(なにが?笑)

…もう、秋、ただでさえセンチメンタルなのに、
ワシ、泣いてもうたらどうしてくれるんですか、
まのさん。なんて、ネー。笑
桃♪⇒まの様
2010/09/16 17:41
無性にそそられる設定です。

そうきたか。是非みてみたい。

いかにも、な拵えや段取りがなくても国定親分として舞台上で生きられるか?
この挑戦状、気概のある役者ならうけてたって、見物衆をうならせておくれ。

荒城さん、今こちらにいらしてて、
ダンナがまさしくその火消しの話、こないだ観ておもろがってました。

ひつまぶし
2010/09/16 22:28
是非みてみてくださいね。
しかし…コメントがなんだかギラギラ上から目線だなぁ。笑

荒城さんの火消しの話?
いくつかやられているようですが。
どれのことだろう。同じものかな。
桃♪⇒ひつまぶし様
2010/09/16 23:32
元師匠があれなもんだから(笑)、
こわっぱのくせに、三つ子の魂なんたらかんたらで癖がぬけないねぇ。
すぐ、イキっちゃうんです。
自分でも苦しいんです。困ってるんです。すみませんねぇ。あはは。
ひつまぶし
2010/09/17 09:27
あ、荒城さんとこのって「歓呼の纏」やそうです。
火消しだけでいくつかあるって、
どんだけレパートリーあるんでしょう!うひゃ〜。
ひつまぶし
2010/09/17 09:34
あ。違うー。
私の好きなのは『め組の跡目』ですわ。
でもね、たぶん、あの日のあのポジションのあのキャストだから
良かったのもあると思うんですよ。

でもそっちも観てみたいですね。
火消し好き。め組の人。みたいな。(あ。笑)
桃♪⇒ひつまぶし様
2010/09/17 14:27

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