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zoom RSS 虚実皮膜 -『唐人お吉』、とある女形-

<<   作成日時 : 2012/02/14 21:40   >>

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かつて若い頃お吉を演じており、
さいきん、若い座長にお吉芝居を立てたとある役者が、
若い頃、自分のファンに言うてたんやって。
「お吉なんて酒飲んであんなんで、ええ女やないで。
俺、演じてはいるけど、あんなんええ女やないと思うで(笑)」
って、話を、さいきん、当時のファンから聞きました。
ワシは思わず笑ってしまい、帰ってひとりになってからすこし泣きました。

若い頃は、
お座敷で三味線を抱えて新内「明烏」を歌う姿の良さから
別名「明烏のお吉」なんて呼ばれていたお吉さんは、
確かな芸を持った確かな芸者だった。芸者の意地、女の意地を持ったいい女だった。

なのに下田港に黒船が来てしまったその年に、
幕府からハリスの元へ行くように命じられ、
末を誓った幼なじみの鶴松とも泣く泣く別れて従ったのに、

世間から笑われ、うとまれて、
さけずまれて、後ろ指を刺されて、好き勝手思われて言われて、ひとりになりました。

人が本心から信じられなくなってしまったのですね。
でも自分を信じる強さももうないですよね、なくしてしまったんですよね。

だから、恨むしかない、呑むしかない、「お酒だよ、お酒をおくれ!」

もし、もうちょっと器用に生きられたのなら…
例えば人に媚びたり…いや、媚びるという言い方は違う、
人ともうちょっとうまいこと付き合えたりして、
もうちょっと器用に生きられたら、こうはなってなかったかもしれない。
意地なんてなんてなかったら、ここまで堕ちてなかったかもしれない。

とても愚かで、とても不器用な生き方だと思います。

けれど、そんな不器用なお吉は不器用だけど、それゆえ、とても人間臭い。

優しい女だね、いい女だね。意地とプライドあるけど、優しくて、ほんま、ガンバッたんだよね。

画像


ああ、たちがわるい。ああ、アホや。

かつて若い頃お吉を演じており、
さいきん、若い座長にお吉芝居を立てたとある役者が、若い頃、自分のファンに言うてたんやって。

「お吉なんて酒飲んであんなんで、ええ女やないで。
俺、演じてはいるけど、あんなんええ女やないと思うで(笑)」

今のあなたは同じこと言いますか? 今、あなたはどう思いますか?

いっか、もう。

だって、それでも、生きてはるねんもん。

舞台に立って、若いコに「お吉」継がせて、継いでもろて、
今も舞台に立っているのだもの、生きているのだもの。

生きててや!いや、生きてなあかんで!

まだ!しぶとく!それでも!どっこい!

ワシ、また再び、目の前に現れて、チョケて抱きつきにいくときまで!(笑)

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大衆演劇を観る前から好きな話、好きな芝居でした。
でも、ここ、これ、から、より、本当に好きになりました、よ。

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ナカミ -『唐人お吉』(『お吉物語』)@大衆演劇-
“唐人お吉”(『お吉物語』)のヒロイン、 下田芸者・明烏お吉さんは 自分を殺してお国のためにハリスさんの下へ行ったのに 帰ってきたら洋妾だとさけずまれ、 お酒に逃げるしかなかった女、孤独を抱えた女。 そんなお吉さんは、 人が情を寄せては返す 人間だらけの大衆演劇という世界で、 毎日笑顔で生きている大衆演劇の役者さんたちが、 スッ…と、気持ち、入り込める役なんちゃうかなとワシは思います。 ...続きを見る
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2012/05/19 07:41

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