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zoom RSS ナカミ -『唐人お吉』(『お吉物語』)@大衆演劇-

<<   作成日時 : 2012/05/19 07:41   >>

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“唐人お吉”(『お吉物語』)のヒロイン、
下田芸者・明烏お吉さんは
自分を殺してお国のためにハリスさんの下へ行ったのに
帰ってきたら洋妾だとさけずまれ、
お酒に逃げるしかなかった女、孤独を抱えた女。
そんなお吉さんは、
人が情を寄せては返す
人間だらけの大衆演劇という世界で、
毎日笑顔で生きている大衆演劇の役者さんたちが、
スッ…と、気持ち、入り込める役なんちゃうかなとワシは思います。

今年1月ワシが観たのは、
劇団「喜楽」にゲスト出演している「松川小祐司」くんの演じた「お吉」
それは若い男の子が本心本気で演じた、「ちょ、そこまで…」ってくらい まっすぐな「お吉」。 

忘れられないのは、
ハリスの下から帰って来て
身も心もボロボロになったお吉が、幼馴染のお福ちゃんを訪ねていったときの台詞。

「都合のいいときはあれほど友達だ友達だと言っておきながら、自分が幸せになったら…!」

物凄い形相で言うそのシーンは、まるでそこだけホラーみたいだった。

若いなぁ。まっすぐだなぁ。でも…「わかるなぁ」。
と言うと、え? ワシ、ちょっと怖い?(笑)

小祐司くんは、正式には、この劇団の座員ではありません。
お爺ちゃん→お父ちゃんへと継がれた劇団に居たのだけれど、
無くなってしまって、お兄さん(翔也くん)と一緒にゲストとして今の劇団(「喜楽」)に出演しておられます。

そんな彼は、
毎日ぴちぴち元気に舞台を務めていても、
他の「座長の息子さん」や「若い座長さん」とは違う、
彼だからこそのシンドさや想いを持っているのかもしれない。
それがこういうカタチで、「滲んだ」のかも。

ちょっと深読みかもしれませんが、ふと、そんなことを感じたり…。

またもうひとり、ワシの忘れられない「お吉」は、今50過ぎの役者が30〜40くらいの頃演じた「お吉」。

今は自分が属する劇団の若い座長にお吉を継がせ(継いでもらい?)、
今では敵役(支配組頭・伊佐新次郎)を演じている、元・「お吉」さん。

映像(ビデオ)で観た、
その “太った蛇女”みたいな「お吉」は、
色々あって痩せた今とは違って自信も肉もそして芝居もたっぷり。

ラストシーンではもう超・たっぷりと、

「他の誰に何を言われても、鶴(松)さん、
あんたにだけはアタシの気持ち、解ってほしかった!ねェ、鶴さァァん!!」。

そのひとは
大衆演劇が脚光を浴びていた80年代前半、
(梅沢)富美男さんを追い越せ追い抜けというの時代に人気座長だった内のお一人。

若き日に芸能界に居たこともあったり、
そこから色々あるも、
「えいっ!」と一念発起して役者になり、座を持ち、
他の、代々続く家の出の座長らと肩を並べて、華やかな時代に座長となった人。

当時は自信満々・気持ちよくたっぷりたっぷりだったけれど、
今になって、この台詞、リアルに誰か(皆?)に訴えかけたいのではないかしら。

あ、これもちょっと深読み(&肩入れ)かもしれませんが、ふと、そんなことを感じたり…。

ねぇ、“お吉”さァん…?

何がホントで何がウソで、何を信じたらいいのか、
そんなもんが時に解らなくなっても仕方がないだろう人間だらけの濃い世界…
人が溢れ、人が「情」を寄せては返す、良くも悪くも人・人・人だらけの「大衆演劇」で、
それでも毎日、笑顔で舞台に生きている彼ら彼女ら、「お吉」さんたち。

狭い世界にいると嫌でも人のいろんな面が滲む。
また、そこに利害関係ってなもんが絡んでくると、んまぁ綺麗事じゃ済まなくなってくるだろう。
表にも裏にも、舞台上にも客席にも、きっと、いやおうなしに「素」(ナカミ)が表れるだろう。
 

やぁねぇ。

でも、当然ながら皆自分が大事だもんね、仕方ないよね。
「浅ましいな」とか「哀しいな」「寂しいな」って思うけれど、しゃあないわね。

そんなかの世界、
「大衆演劇」世界で日々演じられる「お吉」は、
ワシには、彼ら彼女ら「お吉」さんたちそのものに見える気がしてなりません。

あなたもお吉、ワシもお吉。

ワシは、「お吉」が好きです。
芝居の中の「お吉」、そんな芝居を演じる「お吉たち」が好きです。

なぜなら、あなたもお吉、ワシもお吉だから…。

ねぇ、お吉さァん?

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『喧嘩屋五郎兵衛』 『花街の母』 『森の石松』に続いて、大衆演劇の芝居と役者さんを考えるの巻、「お吉」篇(笑)

オタクなんかもしれん、キモいかもしれへん、でも、ワシ、≪大衆演劇のお芝居≫が好きなんよなぁ。(しみじみ)

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逞しく -『長崎物語(「じゃがたらお春」の唄)』-
「芝居のさいご、十字架に磔になって処刑されるんだよ」 「処刑?!史実ではインドネシアに送られて『日本、恋しや』って手紙書くんだよ」 いえいえ、どちらも違う。 ≪じゃがたらお春≫こと「お春」さん、 実在した彼女は、処刑も、送られもせず、逞しく生きたらしい。 ...続きを見る
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2012/05/30 00:55

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
お芝居の「お吉物語」大好き
私はお吉フェチなんです(笑)

おふくちゃんが出てくる場面は
劇団によっては省いてしまいますね(残念)

喧嘩屋五郎兵衛だと
五郎兵衛、朝比奈、伊之助、八百屋の
どの人物に焦点を当てるかで
芝居も全く違うものになってきますが

お吉物語もやはり同じで
鶴松、伊佐のだんな、おふくちゃんで
また変わってきます、だから面白い

ただハリスはいらない
オキチサン スキデス I love you
なんて高くしたツケ鼻はいけません(笑)
へっぽこおやじ
2012/05/19 10:30
私も!私も!
「お吉」フェチ!
大衆演劇の芝居で観る前から、
めっちゃ、ちょいオカシイくらい、「お吉」フェチ!(笑)

と、テンション上げてみましたが、
そうですね、いろんな劇団のいろんなお吉の芝居があり、
「こういうところが似合って」たり、
「ここはイマイチ」だったり、
観比べるのも、とても面白いですね。

ハリスは、私も最初観たとき要らないと思いました。
三枚目のハリスにしちゃうと、話の筋として、なんか、おかしいやん!と。
てか、そのギャグシーン長すぎひん?!と(笑)

でも、不幸な女性の暗い話ですから、
(※あ、ハッピーエンドという意外なオチバージョンもあるけど。笑)
せめてここは「面白シーン」として、ありなのかな、と
最近は思うようになりました。

(個人的にはこのシーンを長くされるとダレるんですけどね。笑)
桃♪⇒へっぽこおやじ様
2012/05/23 01:29

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ナカミ -『唐人お吉』(『お吉物語』)@大衆演劇- 桃花舞台/BIGLOBEウェブリブログ
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