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zoom RSS 朝比奈兄さんは笑う -How to 『喧嘩屋五郎兵衛』3-

<<   作成日時 : 2012/07/03 15:29   >>

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「コイツは、本当は心に錦のある男なんだ」
歳をくった「朝比奈」は五郎兵衛をそう褒めていました。
そしてラストシーンでは、
事件を越えて少し大人になった五郎兵衛に
「この件で随分大きくなったなぁ!はっはっはっは!」と声をかけて、笑っていました。
大衆演劇のテッパン狂言『喧嘩屋五郎兵衛』。
主人公の兄・「朝比奈藤兵衛」は
若い五郎兵衛の≪兄≫であり、
「ヤクザ」の道の先輩…
ううん、「役者」という道の≪先輩≫です。

幼き頃顔に負った傷のため、
超自意識過剰になったヤクザ・喧嘩屋一家の親分「五郎兵衛」。

『喧嘩屋五郎兵衛』は、彼のコンプレックスからの暴走とそして成長の物語。

大衆演劇の役者さんって、
いや、人間って、皆、
どこか五郎兵衛的なナカミ(本質)を持っているとワシは思うねん。

だからこの芝居『喧嘩屋五郎兵衛』は
どの劇団でも昔からよく舞台にかけられ、どこでも誰でもかなり熱演されるんちゃうか。

…ということは以前、書きました。

でも、今回、ワシが改めて注目をしたのはそのアニキ、「朝比奈藤兵衛」です。

弟と同じく腕一本で成り上がった侠客である「朝比奈」兄さん。

彼は若き主人公、五郎兵衛を諌め、止め、「見守る」役。

難しい役です。

だって、彼は五郎兵衛の、
ほんまは素直やねんけどねじ曲がった性格、
その原因となった顔半分の傷の原因を作ったのです。

そう、たった一人しかない弟をそうさせてしまった「負い目」がある兄さんなのです。

負い目、コンプレックス…

ああ、そうか!

そう思うと、「朝比奈兄さん」もまた、
「五郎兵衛君」とカタチは違えど、同じ≪ナカミ(本質)≫を持った人間なのかもしれない。

でも朝比奈兄さんは、五郎兵衛よりも、歳を食うてるし、経験も重ねている。

だから、そんな負い目を、コンプレックスを、感情を、自分の中に「押し殺して」生きている。

だからこそ若い五郎兵衛の気持ちが解る。

なぜならそこにいるのは「自分」だから…。
昔の自分であり、今も大人にはなったけれどもナカミ変わらない「自分自身」だから…。

いつも隣に居る、弟・五郎兵衛、いや、「主役」…。

そんな「朝比奈」を演じるのは、
座長のお父ちゃんやお兄ちゃんだったり、
座長より歳くってる役者だったり、
座長が2人以上居てる劇団ならそのうち歳の方だったり、
おじちゃん役者だったり、おばちゃん役者だったりお婆ちゃんだったりするのですよね。
(※座長が五郎兵衛を演じる場合ね)

そう、座長「よりも」年上で、座長「よりも」芸歴が長い役者さんなんですよね。

若き五郎兵衛のそばにいる朝比奈、
それは≪兄≫であると同時に、ヤクザ、
いや、役者という道の≪先人≫であり、
若き座長を立て、誰よりも理解し、「見守る」≪先輩≫なのですね。

先日観た歳食うた朝比奈は、ラスト、
事件を越えてちょっと大人になった五郎兵衛に
「この件で、随分大きくなったなぁ!はっはっはっは!」なんて笑っていました。

中盤では、五郎兵衛に、
「ヤクザって稼業は、悲しい稼業だなぁ!」なんて語りかけておられました。

それはワシには「役者って稼業は、大変な仕事だなぁ!」にだぶって聞こえました。

うん、あれ、ちょっと深イイ『喧嘩屋五郎兵衛』でした。

「大衆演劇の芝居と役者さん」を考えるとき、
『喧嘩屋五郎兵衛』は、いつしか、ワシの「教科書」になりました。

うん、やっぱり、これ、大衆演劇の、大衆演劇らしいお芝居や。

今回、しみじみ笑う「朝比奈兄さん」を観て、また思いましたよ。

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以前の【五郎兵衛親分or五郎兵衛君-How to 『喧嘩屋五郎兵衛』-】
【五郎兵衛&役者自身 -How to『喧嘩屋五郎兵衛』2- 】ってな記事も、
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