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zoom RSS 理想の「男」-『冬牡丹』@大衆演劇-

<<   作成日時 : 2012/11/30 02:32   >>

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『冬牡丹』(杉良太郎)、
それは大衆演劇を象徴する1曲だと思います。
男、男らしさ、男と云うモノ…
日本の男、あるべき、理想とされた男…
そんなものが描かれる大衆演劇の「芝居」を象徴するような1曲だから。
うん、時代が芝居からショーに比重が移ってきた現代となっても、変わらずに。

『冬牡丹』に描かれるのは、一匹の男。
もう今そんなん居てへんちゃうかってほどまっすぐな、男の&女の理想の男です。

一緒になれなかった昔の女に詫びる。
本音は一緒になってやりたいがなれない、いや、ならない。
けれど決して情がない訳ではない、むしろ逆、ある、
耐えて耐えて己の思いを押し殺してそして独りごちる、
「俺はでも、今でもここにいるよ」!

そんなん自己満足やーん!
そんなん一人でカッコつけとったって伝われへんやーん!
そんなん、ただのTHIS IS (耐え、引くという己に酔う)ナルシズムやーん!

でもそのいわば「痩せ我慢の美学」は
古来より理想とされてきた日本の美学、これぞ男の美学です。

大衆演劇のお芝居にはそれら「男の中の男、理想の男」が描かれます。
仁と義を重んじ情に厚く、
恩ある人のために命がけで忠義を尽くして時に本音を隠したまま旅の空へと立つ、
いわばそんな「男」がこれ以上ないほど(耐えて忍んで)格好良く舞台に表されます。

それを表現する方法がいわゆる、「ヤマ上げ」。
抑え込み抑え込み殺した気持ちを、表現する際は逆に発散させる。
抑えた気持ちを画(え)で見せるために、これでもかというほどアゲ、
動画におけるストップモーションのようにキッパ(見えをき)ることで目立たせる。
This is カタルシス! カッコイイ! 理想!
そうして舞台という虚構の上には男も女も惚れる≪理想の男≫が現れます。

先日、ワシは同魂会 紅あきら会長に勿体なくも有り難いお言葉を頂きました。
「うん、俺は(アンタの言う通り)舞台の上で≪理想の男≫を演じている」
(※正確な言葉じゃないですがこんなニュアンスで)

他の大衆演劇の役者さんと違い、「ヤマ上げ」演技をしない会長、
耐えて抑えた気持ちを、抑えて抑えて抑えて…そのまま写実的に表現するその演技が
「型」にまで浄化され、たくさんの役者さんに影響を与えている会長、
その、あの演技は≪理想の男≫を追い求めて究極的に表現した演技なのですね。

内心勿体なく恐れ多くも生意気なワシは調子に乗ってついでに聞いてしまいました。
「会長はなんで吉良常とかのお芝居がお好きなんですか?
現代物(のヤクザ芝居)が好きなのですか?」
そこで返って来た答えは、「自分を抑えて人のために、というその生き方が好きだから」。
ああ。なんだか嬉しくなった。
やはりこの人の芝居(の「型」)が好きだ、ワシ。と、思いました。

そんな会長がよく踊られる中にも、『冬牡丹』、あります。
ワシはずっと勝手に「紅さんは冬牡丹が好きなんちゃうか」と思っているのですが、
当たらずとも遠からじ、かもしれませんね。
また、「目の眩み」とか「あんたはこの人(俺)に興味がない」とか
また言われるかもしれないけれどそんな会長に『冬牡丹』はそれゆえとても似合うとワシ、思うもの。

やはり、『冬牡丹』は大衆演劇を象徴する1曲だと思います。
うん、立ち、男、男らしさ、男と云うモノの…。

画像


そう、あの数分、客席の女性は「虚」…「理想の男」(の姿)をみるのですね。
女も男も、そして観る方も演る方も、惚れるのでしょうね、あの舞台に現れる「男」というヤツに…。

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会長の『冬牡丹』、“アイカワ”の『冬牡丹』(強烈な印象で…)、そしてきっとあるでしょう、≪あなたの好きな役者さんの『冬牡丹』≫が。

ワシ自体は個人的に“変身系”(特に女形に)の役者さんを好むため、
今まであまり「冬牡丹が似合う役者」にハマったことはないのですが(笑)

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