桃花舞台

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zoom RSS 「芸」(人間)の力 -例えば、曲<舞踊の瞬間-

<<   作成日時 : 2013/02/25 03:01   >>

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大衆演劇の舞踊は≪二次構築≫。
そう言われたことがあります。
言ったのは友人、
若い頃からずっと、
大阪は新歌舞伎座付きの舞台監督をやっていた男。
彼曰く、「二次構築だから、越せない」、
「原曲を、越せない」と言うのです。
歌とは、詩、曲、歌い手、
それらによって出来上がった≪作品(商品)≫。
その「歌」を「使って」踊るのだから、
それ以上のものにはならない、と。
だから、大衆演劇の舞踊は≪二次構築≫、
歌を越せない、と。

「うん、なるほど、面白いこと言うなぁ」

ワシは否定しなかった。

だって、
これは若き日からずっと、
例えば石川さゆり、例えば杉良太郎、
そんな歌手たちが大舞台新歌舞伎座で一か月の座長公演をする際に
顔合わせからリハーサルから本番一か月毎日毎日まで
一部始終を見、共にし、共に「仕事」として積んでこられた彼だからこその論。

「石川さんが出の前に…
そう、大衆演劇の人らがよく使うあれ、
♪酔って〜候、だとかな、♪飢餓海峡、とかな、
あの歌を歌う出の前に、フッと「この曲、好き」って微笑んで、出るんや。
俺はそれを見てるんや。“ほんもの”を見てるんや。
だから俺にとって大衆演劇の芸は≪二次構築≫。観ようという気にならない」

「うん、うん。せやけどね、おにいさん?!」

ワシは、否定はせんかったが、付け加えた。いや、主張した。

大衆演劇は確かに≪二次構築≫や。そうかもしらん。でも、それでも、せやからこそ…

「凄い瞬間があるねん。≪越える≫時があるねん。それがたまらんねん」

全力で、これ、主張したい。

ワシは以前にも書いたけれど、
頭固すぎるくらいに≪作品(芝居の内容・歌という作品)至上主義≫、
だから、いくら距離の近さゆえにお客さんへの気遣いや己の頑固なコダワリ等々ゆえに
歌の世界観に合わぬ衣裳や歌の内容ソッチノケの振りなんかを観ると
超・腹立ったり超・脱力したりします。うん、いまだに。(心の中でネ。笑)

けれど、そんなのは今ちょっと置いておいて、

大衆演劇の舞踊は、曲を、≪具現化≫してくれる。
ほら、耳で聴く曲が、目で「見える」!
衣裳、所作、表情……役者(あなた)が体で表現することで歌の世界観が見える!
その瞬間! 曲を≪越えた≫って感じる時、ワシはあるねん。
曲の世界観が内容が、聴くよりももっと表れる。と、思う瞬間に出会う時があるねん。

「ああ、この歌の中のヒロインはこんな人やってんや 」
「作詞家さん作曲家さんはこういうメッセージを送りたかったんや」

その瞬間、ワシはゾクゾクします。

中にはその曲を体で「具現化」するを通り越して、
ありえへんような解釈…ありえへんようなご自分(役者自身)の解釈で
その曲を、歌の世界観を、崩すのではなくさらに高め、飛び越える瞬間もある。

まさに、曲を浄化し、曲に≪勝った≫(笑)とでも言いたくなるような!

そんな瞬間、ワシは大衆演劇の役者さんの凄さを感じます。芸の力を感じます。
舞台=生活、生きること=舞台をすることである彼らだからこその、
本能的な芸の力、そして、ただの技術だけではなく人生を重ねてゆくことで
培い、舞台の上にあらわす、芸の力=人間の力、を…。

ま、それには気(集中力・スイッチ)も器(舞台技術・重ねてきた人間力)も伴い、
毎日、舞台=生活でしんどいながらも常にアンテナ張り巡らせて、
今日、その日その瞬間「その数分」(曲の尺の間)にロックオン!してやな、
なかなかそこまで≪勝て≫るまでの舞台には、ならへんねやろうけど、ネ。(難しっ!)

でも、そんなときの大衆演劇の役者さん、大衆演劇の役者さんの舞踊って、
ほんと、何より、何より最強! ワシは心からそう思うのです。

画像


ワシはそんな瞬間に逢うため客席に座ります。
そんな瞬間を、舞台上で体現する彼らと一緒に味わうため、
アホなりに勉強を重ね、これから人生ももっと重ね、
これからも、ずっと座り続けたい、挑み続けたい、そう思うのです。

お解り? おにいさま!
え? なんですって?! 飢餓海峡?
あるであるで! ≪勝つ≫人が! ≪勝つ≫舞踊が! 
ワシ、知ってるもん! 観たもん! ゾクゾクしたもん! まだまだするもん!
ふふふ!(にんまり&うっとり&ゾクゾク)

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写真は、そんな『飢餓海峡』。
ゆえにワシが最も好きな女形さんの最も好きな舞踊

初めて観て、もっかい観て、で、先月、1月10日、ぶらくり劇場にて、三度目。
うん、気(スイッチ)、入ってた。目、違ってた。こういうのに出会えるから、舞台とは人間とは面白い。素敵なんだ。

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私的《本物》の『飢餓海峡』@ -その理由-
『飢餓海峡』は元は小説です。 水上勉が書いた暗い暗い小説です。 恋愛小説ではありません、社会小説です。 そこから映画化もされました。 暗い暗い、よく出来た映画でした。 『飢餓海峡』という曲はそれをモチーフに 作詞家吉岡治が石川さゆりに賭けて書けた一曲です。 よく大衆演劇で使われます。 けれど、その中で、ワシには≪本物≫と思う『飢餓海峡』があります。 ...続きを見る
桃花舞台
2013/03/02 19:19
私的《本物》の『飢餓海峡』B -ポジションと歳と生き方と-
さて、『飢餓海峡』にはおそらく3バージョンあります。 【原曲】 【アコースティックバージョン】 【台詞入り芝居仕立てバージョン(石川さゆりの特別公演用アレンジ)】 その劇団では、今、座長が原曲を使っています。 そして、後見(前記事、前々記事で書いた役者氏)が、 今、アコースティックバージョンを使っています。 これ、ワシ、「ええな、素敵やな」と、しみじみ思うのです。 ...続きを見る
桃花舞台
2013/03/02 19:42

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