桃花舞台

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zoom RSS 毎日が舞台と云う事-『平っちゃらブギ』の中、天才…いや役者達に想いを馳せて-

<<   作成日時 : 2013/11/24 22:52   >>

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“エンオーくん” (「劇団炎舞」橘炎鷹座長)に興味が尽きない。
天才だから。あ、決め付けちゃ駄目ね。でも天才。その一言。
先日観た“エンオー君”は女形で『平っちゃらブギ』(岸千恵子)をぶっ壊れて踊っていた。
引くくらい壊れていた。面白過ぎた。のに、巧すぎた。
そんな“エンオー君”だから、見ていて、ワシは唸ってしまった。
このひとはこれからどうなるのだろう。
どこへ向かってゆくのだろう、ゆけばいいのだろう。
日々毎日、何を感じて何を考え、笑顔の舞台に立っているんだろう。

大衆演劇の舞台を観ていて「この人凄い」「この人天才」って思う人はそんなに居ない。
瞬間瞬間はよく思う。でもトータルでみた時、情や肩入れを抜きにした時、
普段から言葉に異常に拘る(←良くない癖)ワシが「天才」とまで言いたい人は居ない。
そりゃ彼らは毎日毎日が舞台なんだから、人間なんだから、
ワシらはいつも自分が観に行っている時に100点満点の舞台を観られるとは限らない。
そんなの求めるのは客の傲慢。
体調や気分、そして悔しいことだがその時の劇団の状況やその人の状況に左右されることもあるだろうから。
(でも毎回「100」であって欲しい、「100」に当たりたいのは本音やね。笑)

でもどんな時でも、「あ、このひと、今、気、8割以上出してへんなぁ」と思う時でも、
それでも好きや嫌いや情抜きに底知れぬ芸の力を感じさせる人は稀に居る。
“エンオー君”はそれだ。なんちゅうかたぶん「持ってるもん」が違うのだ。
それは観る人の好き嫌いを通り越した才能で。
努力は勿論だが、“持ってるもん”がもう人とは違うようにワシには見える。

そんな“エンオー君”は、でも、それゆえ、
なんだかなぜか、≪自分の巧さに自分で飽きてしまったような≫・・・そんな風に見える、感じさせるような時がある。

深読みな事は重々承知で書こう。
このひとが得意としていて人気も高いのは喜劇での破壊的におもろい三枚目、
芝居に於いての三枚目は「おはなし」の中の別人物なのだからさておくが、
このひとは舞踊(女形)でも時に三枚目キャラになる、それは最高最強に素敵である。
しずしずと踊っていたかと思えば突然「ニヤッ」、笑った前歯の一部が黒かったり(お歯黒?!)、
色っぽく踊っていたと思えば突然お引きの裾をガバッとめくってガニ股で舞台を疾走したり…。
変に頭がカタく融通が利かない嫌な客のワシは役者が舞踊ショーでチョケるのを観るのが嫌い。
例えお客との距離が近く触れ合いが楽しいのが大衆演劇だ!なんて素敵なプロのサービス精神だ!
と、解っていても、舞踊でチョケたり、過度な客サービスが好きになれない。
(※ 【過去記事】参照…“指差し、肩脱ぎ、 ウインク舞踊”を考察の巻。&「こんな舞踊が観たい」 【記事】参照。笑)
けれどこの人は破壊的に凄い、笑ってしまうし、唸ってしまう。
超チョケている、なのにそれでも凄ぇ技術があるから成り立っている。
そのプロのサービス精神、プロの仕事姿に舌巻き、笑う。

でも・・・そうして走り回ったり三枚目を披露しているこの役者さんを見るとなんだか、
「ちゃんとやることに飽きてしもたように」見えたりもする。だからあんなにぶっ壊れられるのもあるんやないか。
ほら送り出し、あんなに爆裂サービスぶっ壊れ舞台を見せていた人が
穏やか過ぎるを通り越し、どこか冷めたような表情(かお)に見える時もあり、ビックリする。

≪この人はもうとっくの昔にいろんなことに飽きてしまったのかなあ・・・≫

でも、それでも毎日は続いてゆく、舞台舞台舞台をして舞台舞台舞台の毎日が続いてゆく。
なんだかどこか切ないような、でもそれでも面白い、そんな不思議でおもろい毎日毎日・・・

大衆演劇と云う毎日毎日が舞台の世界、
近年特にお客に対して身近さやフレンドリーさが求められる世界に於いて、
彼や彼らは毎日毎日何を感じて何を考え、舞台に立っているんだろう。
毎日腹の底から本当に楽しいと感じる瞬間はいついくらあるんだろう。それはどういうときなんだろう。
それも天才ゆえの試練使命?
いや、それは毎日笑顔で舞台に立つプロフェッショナル達、
つまり天才達、この世界の役者達皆の運命なのかもしれないね。面白いね。切ないね。

そんなことを思わされた“エンオー君”の『平っちゃらブギ』は巧くて、面白くて、破壊的で、切なくて…
だから、めっちゃ、チョケているけど綺麗でした。

画像


平っちゃら? うん、平っちゃらだよね! 今日も、明日も。

うん、やはり、やっぱりワシはこの人に興味が尽きない。
いや、彼や彼らの居る大衆演劇と云う人間世界に、やっぱりとことん、興味が尽きない。



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11月4日・夜、梅田呉服座にて。
全然まったく芸風としては違うのだけれど、
この役者さんを観ていると、ワシは関東の劇団「美鳳」、一城進悟座長を、ふと、思い出したりもする。

因みに“エンオー君”と云えば9月に十条・篠原演芸場で観た女形、ちあきなおみ2曲繋げシリーズ(笑)、
『喝采』から繋いでの『冬隣』は本当に凄かった。きれいだった。
これ、ワシの中で今年観た最高の舞踊舞台にランクインです、いやマジで。

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強さ、逞しさ…美しさ -大衆演劇の≪役者気≫、“ボス”に想う-
痩せた体に、 でも目はめっちゃギラギラさせて 超楽しそうに下ネタ言うて笑ってる。 前より肌艶も落ち体重もビックリするほど落ちたように見える。 そう、だって、退院して間も無しらしい。 けれど舞台上でニタニタとまるで子供のように笑って笑わせ そして「またオモロイ話しますわな。うへへへへ…ほな」ゆーてハケてった姿は ああ、「役者」だなぁ、骨の髄まで。 その逞しさ、ギリギリにあってもふてぶてしいまでの強さは、きっと、ほんまの強さ。 だから大衆演劇の役者さんは格好いい。 ...続きを見る
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2013/11/24 23:11

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