桃花舞台

アクセスカウンタ

zoom RSS いい芝居とは〜My Dear, 大衆演劇、役者さんとお客さん〜【はじめに】

<<   作成日時 : 2015/03/03 21:17   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 3 / コメント 5

大衆演劇にとっていい芝居とは何だろう。
今の時代の大衆演劇にとっていい芝居とは何だろう。
今の時代の大衆演劇において芝居の意味とは何だろう。
小さい頃からキチガイのように芝居が好きなワシがいつも考えさせられるテーマです。
公私共にこの世界を追うワシが常に考え、
これからも考え続けながら観、追う、大きなテーマです。
いい芝居とは? 大衆演劇のいい芝居とは?
全ての大衆演劇ファンの皆様。少しお付き合い下さい。
(久しぶりの更新だから長いぞ!気合の長さだぞ!そして今日から4回シリーズだぞ!)

大衆演劇の舞台は生きてゆくことそのもの。
当たり前だけれど深いこの事実に
ワシはこの世界で仕事をさせて頂くようになって
またライフワークとして形にしたいと思う劇団を追い続ける内に
ワシは深く感じさせられ」魅了されるようになりました。

劇団(一座)は家族(血が繋がってるのも繋がっていないのも含め)であり会社であり共同体。
その舞台は趣味ではなく稼いで食ってゆくための仕事であり生業。
アルバイトなど他で食いぶちを稼ぎながら
仲良しメンバーだけでこだわり作る小劇場の芝居や
ボランティア団体などが何かメッセージを発信したく見せる演劇とは違う。
芸能人から大部屋俳優までが出演し
出演するだけで一日何万かのギャラがもらえて
稽古場を借りて何カ月もシーンにごとに稽古をして「1商品」を作る商業演劇とも違う。
彼らの舞台は生活であり人生そのもの(だから素敵なのだ!)。

そんな大衆演劇では生活=舞台だからこそ、
なんちゅうか色々なゲンジツが芝居と云う物語世界に影響したりもする―

例えばひとつ。
大衆演劇という世界は座長を筆頭に序列や役職がとても大事とされる世界。
絶対的な「先生」(=社長)を筆頭とした序列制度は時に芝居の中の虚構としての物語世界に影響したりする。
例えば配役(だいたいの場合序列順)、例えば演技(先生と絡む場合とか)、
例えば原作や元ネタありきの芝居が先生のカラーや先生の考えで
テーマやメッセージやオチが変わって時に「えぇっ?!」な芝居になったり(笑)
でもそれはそれでいろんなもの、大衆演劇ならではのいろんな芝居が観られるので面白かったりもする。
(と、思えるようになりました。ホントは物語世界重視なんだけどね。笑)

でもそんなひとつとは別に避けては通れない問題があります。
目をつぶってもつぶりきれない葛藤があります。
それは「生活=舞台」だからこそ役者さん達は時に
【やりたい舞台】よりも【求められる舞台(舞台以外も)】を
やっていかなくてはならない時もあるし、増えた?!という問題です。
特に、近年の役者さん達は日々この葛藤の中で舞台を見せている・・・ように感じます。

例えば劇場公演の場合は毎日ひとりでも多くの客を入れなければ次に繋がらない。
一枚でも多くの大入りを出さなければ次に乗る(公演する)場所の確保も危うい。
数ある娯楽の中で大衆演劇を選び、劇場にわざわざ足を運ぶ
という習慣は昔と比べて決して多くの人に根付いては居ない。
昔と比べて劇場は増えている、旗揚げや分家する劇団も増えている、
更に昔と違って舞台以外に娯楽というものが増えている、
客にとっては選ぶ楽しみもあるが選ばれる役者としては「たまらんばい!」。
更に昔は客にとっても日本映画などの影響で
客に芝居の中の世界(股旅や任侠や)の知識・教養があったし、
そういう意味で客も芝居を見る目が肥えていたし求められていたのだと思う。
しかし時代の変化と共に「目」は減ってきているようだし
今まで通りやってたってダメなのだ。
ガチでやるより軽かったりネタ入れたりするようなのがウケたりもする。
古き良き股旅・任侠よりもお笑いや新作がウケたりする。
舞台ときってはきれぬ関係にある歌も時代と共に変わって来た。
芝居や物語世界を歌ったような歌にドラマのある演歌の時代は昭和、
今はリズムやノリの方が重視される洋風化したPOPSの時代となってきた。
当然ショーの中身(構成・内容・選曲)に影響は出てくる。
そう、ショー!現代の大衆演劇の舞台はショーが2本の時代なのだ。

そんな舞台内容だけを考えるだけでも大変だし
役者なんやから本来はそれだけでええはずやろうに
芝居や舞踊よりもなんとまぁ照明や装置が派手だとかグッズくれるとか愛想だとか
芝居以外のものを求める客が増えてきている・・・
舞台の後の「送り出し」の雰囲気が今までよりも重視されるようにすらなっている・・・
猫も杓子もSNSで発信の時代だからなのか?!
送り出しの愛想、笑顔、全員写メ撮らせてくれ、皆が一人ずつちゃんと話して接してくれ……

ああ、書いてて悔しくなってきました、情けなくなってきました、苛々してきました。
いや、書いててじゃないです、これ、いつも。
ワシ、いつも、客席の片隅で、お客さんの中で、ずっと葛藤。
お客さんの中で、役者さんじゃないのに、
役者さんのように悔しがったりムカついたり、
でもお客さんの気持ちもわからんでもないから(わかりたくない時も多いけども)、
いろいろ考え感じ過ぎてしんどなってしまったり・・・ちくしょう、ちくしょう。

役者は、芝居だ。芝居をするから「役者」なんだ。
役者は、舞台だ。舞台をするから「役者」なんだ。
けれど、嘆いても悔しがっても、事実は事実、ゲンジツはゲンジツ。
「舞台」=「商売」「生活」である大衆演劇の世界において
【表現者としてのプロのプライド】と【経営者や会社員としての企業努力・営業努力】
毎日この2つを両立し続ける役者さん達の心の中の鬩ぎ合いは半端ないに違いない。

事実と時代に器用に乗って時代とニーズをキャッチし人気となる人、
事実と時代をわかっていながらも認める事は自分の役者人生と自分を裏切ることだでも言うよう葛藤する人、
事実を受け入れお客さんからは評判がいいけれども自分の中で毎日「そうはしたくないのに」と葛藤している人、
何も考えておらず経営者の下で今現在持て囃してくれる取り巻きに気持ちよくさせられている人、
いろんな劇団さんいろんな役者さんを見てきて、見れば見るほど知れば知るほど、
ワシは客席の自分だけが「これ好き」「この芝居観られて楽しかった」では「なんか違う」と思うようになりました。
勿論ワシにも個人的に好きな芝居や「面白かった」と思う瞬間はあります。
けれどずっと、じっと、役者さん達の舞台とその心を見てきて、
観て訊いてきて、お客さん達を見て、感じ、考え、
好きと云うだけで気軽にテンション上がったり喜んだりはなくなってしまいました。

そんなワシにとって、いい芝居とは。ワシが思ういい芝居とは―

譲れない物・・・
ワシはやはり役者さん自身も好きやが「物語(芝居の内容)世界」が好き。
役者さんがお芝居の中の登場人物に見える瞬間、そんな芝居が好きです。
なるだけ、序列よりも登場人物と役者さんが「合って」いて(笑)、
芝居自体のテーマもちゃんと変形することなく伝わって(笑)、
メイン陣や大きな役する座長・幹部クラスだけでなく舞台上の芝居世界の中に居る
なるだけほぼ全ての人が「素」ではなく「気」が8割以上入ってる。
そんな芝居が好きで、「いい芝居」だと思います。

でもそれと同時に・・・いや、それ以上に、
ワシが「良かった」「いい芝居やった」と思う芝居。
それは役者さん達が終わった後に「良かった!」「楽しかった!」「満足!」と思え、
自然とそういう表情(かお)が出る芝居です。
役者さん達、表現をして食って生きていってる彼らが自分が腹から満足いったと思う芝居。
舞台をする「役者」さん達が客の為、大入りの為、生活の為<やりたいことが出来た…
という表情になって、それが観られる芝居です。

そんな時は客席の雰囲気だって変わる。
客ってワシを含め主観や好みばっかのアホばっかりやけれども
そんなアホでもそういう芝居は解ると思うし、
そういう芝居が出来上がった時、
たったその日の1時間ちょいやけれど出来上がって、
消えていったその時の舞台上の雰囲気はきっと肌で感じられる何か特別な物。
役者さん達の「気」は合わさり、登場人物の「気」になり、「物語世界」が出来上がり、
それは客席に伝わり劇場の「雰囲気」となる。
その「雰囲気」は三位一体ならぬ何位一体。
芝居の物語世界、それを演じる役者さん達、観る客、
その日その時のその劇場、全てが一体となり、
そして役者さん達は終わった後「いい芝居やった!」「楽しかった!!」と腹から思える・・・
そして終わった後、明日からの集客やこれからの劇団の方向性について
悩みながらのお酒ではなく、「今日の芝居楽しかった!」と言いながら「ほんまにいいお酒」が呑める・・・

バクゼンだと笑いますか? 主観的だとバカにしますか?
でもね、考えて考えて考えながら観てきて思う、ワシにとっていい芝居とはそんな芝居です。
大衆演劇だから。大衆演劇だからこそ、やはり、これだとワシは思うのです。
大衆演劇だから。大衆演劇だからこそ、なんだかもはや、祈るような気持ちで思う、気持ち、考えです。

いい芝居に会いたいね。その為にはワシらも「いいお客さん」でありたいね。

役者さんとお客さん、皆で作る、いい芝居の為に、ね。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(3件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
優しさ弱さ、生きてく強さ、その人だからこその伊三郎〜ある『上州土産百両首』〜【そのB】〜
さて、そんなその日その劇団の『上州土産百両首』について イントロ代わりの【はじめに】から@、Aと続けてきましたが、 シリーズを終える前に、最後にどうしても書いておきたいことと人が居ます。 いや、書いておきたいではなく、書いておかなければならない、欠かせない。 それはスリだった頃の牙次郎と佐次郎の兄貴分である蝮の伊三郎。  その伊三郎を演じる見城たかし(紅劇団・後見)。 見城たかしの伊三郎。 この役抜きにこの劇団のこの芝居は語れない。 この人抜きにこの劇団のこの芝居は成り立た... ...続きを見る
桃花舞台
2015/03/06 11:06
HERO -大衆演劇の魅力、≪愛しさ≫、「生きていると云う事」-
どう観たって「きっちりした舞踊」ではない。 『HERO ヒーローになる時それは今』(甲斐バンド)! ご丁寧にドラムの生演奏まで付いている。 叩いているのは役者やなく劇団の身内?!だとかいうチョイ悪風オヤジ。 役者は両手で親指立ててノリノリ、御機嫌!着流し姿でディスコフィーバー! これ、ちょっと前に観た舞踊ショーでの一コマ。 ゲラゲラ笑った、眉をしかめながらツッコミながら。 舞台上も客席も凄くいい表情(かお)をしていた。 だから私は大衆演劇が嫌いじゃない。愛しくて、たまらない... ...続きを見る
桃花舞台
2016/04/11 04:29
「これから」のために、楽しむために -ある『カラスの仁義』から-
お客の皆さん。 定番のお芝居、避けていませんか? 「それより新作が観たい!」 「この特別狂言の日に行こう!」とか言っていませんか? 役者の皆さん。 定番のお芝居をただ流れ通りに ただ筋をなぞっただけで演じていませんか? 見直してみよう。考えてみよう。力をつけよう。 そうすれば・・・芝居がもっと面白くなるのではないか。 大衆演劇が、もっと面白くなるのではないか。きっと・・・もっと! ...続きを見る
桃花舞台
2016/12/29 23:19

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
ある座長さんの自虐ブログから、いい芝居とは?
改めて考えました。
いいお芝居をして一番嬉しいのは役者さん自身だと思います。
今日のお芝居が良かったかどうか、一番始めに分かるのは役者さん自身です。
映画製作のように、監督のもと○○組全員でいい芝居を作り上げるという映画製作のような作り方が出来たら、劇団員の全員が楽しいだろうと思うのです。
そういう全員参加のお芝居が出来た時、客席まで満足感が伝わります。
私のブログに書きましたが、「こんな芝居が観たかった」。

ところが、全員参加でお芝居が出来るようになっても、力のある役者さんが定着しません。
力のある役者さんは出て行きます。
座長になりたがるのです。
お金の事情があるのではと想像します。
劇団員の給料で生活が出来れば、もう少し落ち着くのではないかと思うのです。
何とかならないものか。
ある座長さんは、「いい芝居をすればお客様は来て下さるのだから、役者はいい芝居をすれば良いんですよ」みたいなことを話されます。
大入りに一喜一憂しないで、どうしたらいい芝居が出来るかを考えられる座長さんがおられます。
お酒もあまり飲まず、舞台と稽古の毎日の劇団もあります。
健全な生活は大衆演劇にも大切だと思います。
私は、真面目で健全な劇団がいいお芝居をしているような気がしています。
辿り着きました。
2015/05/16 03:12
私の元へ辿り着いて下さった貴方が
これまでにどのような芝居を観てこられたのか
その中で大衆演劇とどのような関わり方をされてこられたのか
お名前もわからずこのコメントでは
主張はわかるもナカミを見てとることが出来ず
ただとてもハッキリ「断定」でおっしゃられているので
なんだか不思議さとどうお返事したらいいかと、
いや、きっとこちらのお返事は求めておらずに
書いて下さったのだろうと思いながら、
思いながらも、お返事、書かせて頂いています。

大衆演劇には、ゲンジツがあります。
それは客席の客は見なくて(感じなくて)良いものなのでしょう。
しかし、それは、我々は見ず感じずだとしましても、現実です。
それは理想や希望ではどうしようもならないものがきっと多い。
役者さんは誰しもいい芝居がしたい、なぜなら、役者だから、表現者だから。
ただし、これが「毎日」の「仕事」であり、「生きてゆくこと」である限り、
我々が思う以上に理想論ではかたづけられないことが沢山あるのだと思います。
でも、だからこそ、その中で、「いい芝居を」、
皆がそうあろうとされているでしょうし、
一体、何をもって、どういうことをもって、
何をもって「真面目」「健全」なのか、私にはわかりません。
私にはそんな偉いことは言えません。

桃⇒辿り着いて下さった方へ(お返事、その...
2015/05/16 16:26
ただ、皆「芝居が」「舞台が」好きで、
よりよい物を作りたいやりたい見せたいという気持ちは一緒だと思います、
その為に「いろんなこと」をされているのだと私は思います。
私はそれを見てゆきたいです。
芝居が好きで好きで仕方ないので
見ていて葛藤や苛々や悔しさを感じることも少なくありません。
しかしそれでも矜持ある彼らの芝居と、その笑顔を見て、
偉そうではなく、見続けてゆき、一緒に「闘って」ゆきたいと思うのです。

うまくお返事出来ず申し訳ありません。
答えになっておりませんでしたら申し訳ありません。

これからも共にいろんなものを、観て参りましょう。
その中で、全部いいのだけれども、
皆も相手も自分も心から満足できる「いい芝居」に
1本でも多く出会え、皆の人生がちょっとでも輝いたらいいな、と思います。
桃⇒辿り着いて下さった方へ(お返事、その...
2015/05/16 16:27
コメントのやり方もよく分からないような事で申し訳ありません。
大衆演劇を観始めて三年ほどの観劇歴です。
色々と失礼のありましたこと、お詫びいたします。
三年の短い期間ですが、舞台が近い分色々と目にし耳に致します事もありまして、
お芝居以外のことで気を取られてしまったり、悩んでしまった致します。
丁寧なコメント返しを有り難うございました。
nemu
2015/05/16 18:42
いえ、こちらこそです。
そうですね、
舞台を観ているだけでも
いろんなものが滲んで見えてくる聞こえてくる、
それ故観ていて気付かぬ内に意固地みたいになってしまったりもする。
お客さんのほとんどがそうだ(そうなる)と思います。
けれどそんな中でも思いのまま流れるまま
出来たら長いこと、全てを受け入れ、愛し、
全ての人の気持ちを理解は出来なくてもわかり、
つっぱることなく「自分の観方」を…
こだわりすぎず自分に酔いすぎず自然な「自分の観方」を
していき、貫いてゆければ…
うまく言えませんが、そう思います。
一緒に、ぼちぼち、ずっと、楽しんで参りましょう。
この舞台世界を、人間まるみえの、他には無い演劇と人間を。
またいらして下さいね。
桃♪⇒nemu様
2015/05/23 16:04

コメントする help

ニックネーム
本 文
いい芝居とは〜My Dear, 大衆演劇、役者さんとお客さん〜【はじめに】 桃花舞台/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる