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zoom RSS 老侠一人(Phantom)-美影愛-

<<   作成日時 : 2015/11/05 13:35   >>

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画像美影愛という旅役者が居る。

感性を気に入って頂き、
美学に触れ心酔した。

そして9月。
待ち望んだ我がホーム大阪で
一か月のゲスト出演を観ることが出来た。
「劇団芸昇」みやま昇吾初代から
若き二人の座長(二代目座長みやま昇太・座長みやま太一)へ代替わりしたばかりの劇団に指導に来た。
若い若い役者たちと自身の育てた家族≠スち(まな美座)と舞台に立つ様を客席から追いかけた。

美しい台詞を吐く。その「台詞(きもち)(ことば)」たちが美しい。

「(客を)意識はする。無視はしない。
けれど客に向けてウケを狙ってはやらない」
「成り切る、けれど、演じもする」

そうすることでその芝居のその役、の、その瞬間だからこそ出る「台詞(きもち)」だ。

予め決められた台詞や考え抜かれ台本に書かれた台詞よりも、詩的で、深い。

そんな台詞(きもち)が散りばめられた「美影作」(彼の立てたオリジナル&古典リメイク)の芝居たちが美しい。

残された映像、口立てによる語り芝居、実際に目に出来た舞台、様々なものを観た。

大衆演劇界・伝説の芝居、
13年前に母(島崎竜子)と父(初代片岡長次郎)の追善九州座長大会でかけた『縁を結ぶ糸車 老侠一人』。
あの「吉良の仁吉」の後日談『慟哭』(まな美座)。
男と女、格好と見栄、可愛げと哀れの『長崎の女』(『オランダ坂に雨が降る 』『恋心』『長崎エレジー』)。
大切な劇団の、大切な女優のために立てた『私だけの戦争 柘植の櫛 残留孤児は今』(まな美座)。
大事な可愛いヤツ・みやま昇吾と共に主演するため立てた『別れ手錠』(『博多の鉄と万公』)。
そして、私にとって忘れられない人生の2本―
「人間」と「大衆演劇」の全てが詰まった『涅槃の約束(プロミス)』
(『上州土産百両首』。ラストのBGMはルイ・アームストロング!)。
彼の人生観すべてが滲む一人芝居『流れるままに』
(『経文代わりの木遣り唄』=『経文入りの菊太郎』(初代片岡長次郎))

舞台を観、話を聞き、感性に触れ、思う。
全てはきっとその人生から紡ぎ出された台詞であり芝居なのだろうと。

凌ぎを削り合った男たちと愛し愛された女たち、
読んできた本、耳にしてきた音楽、目にしてきた風景、泡沫の夢のように通り過ぎた時と人―

「台詞(きもち)」と美しいモチーフと名(芝居名・役名)の芝居は
積み重ねてきた人生すべてから、いや、彼の人生そのもの彼そのものなのだろう。

だから、美しいのだろう。

多くの役者たちが憧れ、真似し、そうあろうとするのを目にする。
けれど、違う。
ナカミ≠ェ、違う。

名門の出でありながら、欲も権威も金にも執着がなく、
心の臓の大病にかかろうと、現世や孤独に苦しもうと、流されるのではなく「流れるままに」
風のふくまま飄々と「猫の額で唯我独尊」
しかし、1人の男として、役者として、「男でありたい、男であろう、男だからだ」

美学と矜持を貫き通した彼、美影愛自身のナカミ=B

だから、美しいのだ。

「生まれてくる時代が早すぎた役者」「大衆演劇とは(レベルなどを含めて)違う」という人も居る。

私は、思わない。

彼はきっと、ただ矜持を持って当たり前のことをやってきただけなのだ。

時代より早いのではなく、時代がうつろうと変わろうと、変わらずに。

感性の赴くままに、流れるままに、「我は我」として見せ、立ち、生きてきただけなのだ、きっと。

画像


画像


うつくしい台詞とモチーフの煌めく「美影芝居」たち、そのどの芝居にも私は感じる。

大衆演劇の芝居が昔から人々に教え、伝えてきた大事な気持ち。

人が守るべき義理、人が人であるための矜持。

人が人を想う情、生きてく苦しさ、孤独、でも人の優しさ、温かさ、愛、魂(Spirit)。

美影愛はその魂(Spirit)を積み重ねてきた人生すべてからの美学で包み、飾り、世界でひとつの芝居にしている。

美しい。

「これが大衆演劇の芝居」「これが大衆演劇」、これが「旅役者(Professional)」 。

決して言い過ぎではない。

きっと死ぬまで格好つけきるのだろう。飄々と。自然に。

美影愛。72歳。

老侠一人、「美」のPhantom(ファントム)は生きている。

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