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zoom RSS そのきれいなひとよ、永遠に-貴公子、美里英二のこと-

<<   作成日時 : 2016/02/13 23:56   >>

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画像皆が言う、「綺麗だった」
ファンが言う、「特別だった」
美里英二。
そのひとは綺麗なままいった。
貴公子だった。
過去の映像を観るとどこか品がある。
何をしても、なんだろう、この一言、「品」が滲む。
けれど歌舞伎役者の品ではない。
大衆演劇の、大衆演劇に生きた、その人の、
それでも、だから、なぜか、いつも、とっても。
なぜだろう。わからない。
けれどそのままいった。

不思議な縁をくれた。
かつて関西にあった小屋「寿座」について書いた際
名も知らぬ方から録画ビデオをたくさん送っていただいた。
(これはその後、ルポライター、研究者、役者、ファンの方、
皆にお貸しした。皆で本当に嬉しがった)
昨年8月末に亡くなった後
その「お別れの会」が開かれることになった折、
最も近くに居たファンの方や同時代を生きた方(先生)から話を聞く機会に恵まれた。
最後の最後に近くに居た大切なファンの皆は乙女の目で、少女の様に、その魅力を語ってくれた。
会で流された映像をある劇場主はまるでファンのように食い入って観ていた。
ある役者はその後「俺が一番憧れていたんだ」と言っていたらしい。
とある人ととある人もまた「俺が一番魅力をわかっていたんだ」と心の中で思っていたのだろう。
そう思わせるエピソードもあちこちから聞いた。
皆を本気でそうさせる人、そう語らせる人。
皆が「私の美里英二」を本当に大切にしていて、だから、いろんなことがあった。
けれど当の本人はつーっとあちらの舞台へ行った。
ヨレヨレの姿で舞台に立つこともなく、
家族・家庭・味噌汁の匂い・「おとうさん」・「おじいちゃん」と見られることもなく、
プライドオバケと化して若い者を精神で押し退け舞台に立つことも無く、皆の中で、貴公子のまま。

私自身は結局生で観る機会を逃してしまった。
(最後にゲストとして新開地の舞台に上がられた際、行く予定だった、のが、突然の仕事で行けずになった!)
けれどその映像を観、ちいさな出版社から出された自伝を読み返し、思う。
貴公子、そんな風に呼ばれ、ぴたりと似合う役者はこれから先も現れないだろうなあと。
いただいたブロマイドを見、梅田呉服座の大きな提灯を見、思う。
きっとあっちでも「英ちゃん」ってファンたちを乙女にしたり
あっちでも同業者に憧れられたり意識をされたり、
でもそれでもつーっと、あの品で、自分の舞台をされているのだろうなあと。
そうしてそのひとは永遠の貴公子となった。

会えなくても、いろんな縁をくれ、いろんなことを考えさせてくれた役者、
私に改めて覚悟と決意をさせてくれた貴公子、美里英二。

先日「俺が一番憧れていたんだ」という役者さんを最後のファンたちが「遠征」、観に行ったそうだ。
舞台に出てきたのは、滅多に見せぬ女形で『浪花の子守歌』を踊る彼。
ファンたちと劇場で働いている座布団運びのおばちゃんはそれぞれの想いで泣いたのだそうだ。
若い世代中心となった劇団で。若い客層はわからずとも。その日その時。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
声が語り掛ける「今」-あったかさとプライドと-
≪美里英二、大日方満、浪花三之介≫ かつての時代に脚光を浴びた座長たちの中でも 関西で長く人気を誇った彼らはそんな風に 名指しで三人、特別に挙げられたりする。 けれどかつてを知らぬ今の私にはそのひとが一番ピンとこない。 おひとりはあちらの舞台へいかれた。 おひとりはこの年明けに観てニタリとした。 そして、そのひとは今「おじいちゃん」だ。 高齢の人という意味ではない。 娘であり女座長のおとうさんであり、二人のお孫さんの、おじいちゃん。 家族が団結して頑張る自身の劇団で指導... ...続きを見る
桃花舞台
2016/02/14 00:06
イケイケGOGO、≪俺たちの世代≫≪私たちの世代≫≪若い世代≫-大衆演劇、それは人生(いきざま)-
「ここ2〜3年で≪俺たちの世代の役者≫は確実に皆あっちへ行くよ」 先生≠ェ言う。居ても立ってもいられない。 「仕方ない。事実なんだから。なんちゃない」 抗うことは出来ない。けれどずっと考えてる。ここ数年、特に昨年から。 出来ることなど何もない、そんなことを考えること自体が俗であり野暮である。 「残したい」なんて傲慢すぎるほど傲慢だ。 けれど、その≪俺たちの世代の役者≫がどの世代よりもたまらなく、 今の世代の皆より「カッコいい」と思う私は、愚かしくも焦り、日々もがく。 そん... ...続きを見る
桃花舞台
2016/02/14 03:14

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
桃さま
美里英二さん、亡くなられてしまいました〜。

新開地劇場の定式幕、梅田呉服座の木戸の大提灯。そこにある「美里英二」の
名を目にする観客も、今ではリアルタイムでその舞台を観た方は少ないでしょうね。

英ちゃんが舞台に出るだけで、場内には心地よい緊張感が広がり、
そのたたずまいからは、侵しがたい芸格が感じられましたよ。
誤解を恐れずにいうならば、それまで猥雑さや悪所の匂いの否めなかった
当時の芝居小屋が、
美里英二という貴公子の出現によって、ほどよく浄化され、
少なからず市民権を得たのではないでしょうか。
今どきの若くて華やかな座長さんたちには、このあたりのニュアンスは
あまり伝わらないとは思うけれど、でも、一応言っておきますね(笑)

いろいろな意味で「大衆演劇」の一時代を牽引してきた英ちゃん。
「美里の動くところに客も動いた」といわれる時代に、どうにか間に合ったことを
とても幸せだったと思います。、
平成9年に座長を退いたときも、多くのメディアでとりあげられました。
そしてこのたびも、朝日、毎日、読売の三大全国紙に加えて、産経や東京新聞、神戸新聞と日経までもがその訃報を伝え、週間新潮の名物コラム「墓碑銘」にもその生前の活躍と人望が紹介されました。

まさに「人は一代、名は末代」ですね。
これからも、あとに続いて名を残す役者さんたちが、大衆演劇の世界からも
たくさんたくさん生まれますように〜。

桃さん、すてきなブログをありがとうございました。


孝玉ばあさん
2016/02/16 21:38
孝玉ばあさん様。
團菊爺ならぬ孝玉婆ならではの
すてきなコメントをありがとうございます。

時代は変わる。
人は歳をとる。
形あるものはいつかなくなる。
それは現実であり、
寂しかったり悲しかったり悔しかったりする。
けれど、だからこそ、いいのかもしれない。

大衆演劇というもの
舞台というものの
面白さや奥深さもそこなのかもしれない。

そんな風なことを思ったりします。

その時代その時代に愛された役者さん。
その時代その時代の役者さん。
皆にそれぞれの魅力があって、皆が素敵で。
いろいろな現実の辛さ悔しさ切なさ、
それもまた素敵なことなのかもしれない。
それが、大衆演劇なのかもしれない。

ホントこれから何がどうなって誰がどうなってくか。
まーったくわからない世界ですが、
「もぉー」とか「わー!」とか「えーっ」とか言いながらも
今この時代に生きて観ている大衆演劇ファンとして
「今」と「これから」をずーっと観てゆきたいものですね。
楽しみです。

桃⇒孝玉ばあさん様
2016/02/18 22:23
ご無沙汰してます。
以前送ったDVDが役に立ち良かったです。
送る会は突然で興味?ありましたが行きませんでしたが参加された方に聞いたところ映像は良かったよとのことでした。
行かれたのですね。
ぶっちゃけますが橋本さんの小遣い稼ぎで周りの方が巻き込まれた感じみたいですね。笑 そんな話を聞きました。
大衆演劇は久し振りに見る機会がありましたが趣旨が変わってましたね。
昔は男性のお客さんも多かったけど今は女性メインみたいですね。
感じたのは純粋に芝居を見にこられるのではなくてホストに近い感じなのかと思いました。芝居を大切にして欲しいですね。
祝儀が沢山つくのが良いのか、観客動員が多いのがよいのか。
第三者ですが観客動員が多い方がモチベーションは上がると思いますが現状は違うのかな。
たくみ
2016/03/15 21:27
コメント、びっくりしました。
めちゃくちゃ嬉しいです。
ありがとうございました。
覚えていただいていたこと
又コメントいただけたことがとても嬉しく
以前教えていただいたメールアドレスに
思い切ってお返事致しましたが
年月が経ち、変わっていたようで・・・
こちらにて失礼を致します。

その節は、ありがとうございました。
DVD、たくみさんのおかげです。
いろんな方の心の財産となりました。

そしてお別れの会・・・
そう、本当に・・・ねえ・・・
色々ありました、いや、あったようです。
いろんな方面のいろんな方からお聞きしました。
私なぞは枯れ木も山の…のようなもの
あのような場に居ることすら申し訳なかったとも思います。
が、会をきっかけにいろいろ感じさせられ、
本当に勉強させて頂きました
(と、いう漠然な書き方ですみません、
このようなネットの場ですので。・・・嫌ですね。笑)

そして、今の大衆演劇のこと。
本当に、多様化しましたね。
たくみさんが見られていたような時代を観たかった。
芝居が、芝居らしい芝居とそれを大切にする様が。
などと思いながら、苦笑したり、
怒ったりしまくりながらも、
それでも観てゆこうと思います。
バテたり、呆れたりしてはいますが。
嫌んなったりも多いですが。
それが使命(大袈裟)な気もして。
ほんまはキチガイのように芝居と物語が好きな人間なのですが、
それゆえどうしようもないこの人間な世界を見捨てられなくって。笑。

コメント、本当に嬉しかったです。
ありがとうございました。
謎多き、たくみ様。これからも縁続きますように。
そして宜しければまた色々なことを教えて下さい。学ばせて下さいね。
桃♪⇒たくみ様
2016/03/15 21:44
コメントしにくい内容ですみません。笑
送る会ね…
自分自身は大衆演劇の世界との接点は殆ど無いので、学ばして下さいと言われても戸惑います。周りがあったので懐かしくは思いますが。
Maybe,you understand who I am? 笑
寿座を調べたタイミングで出会いましたが人の縁というのは分かりませんね。
携帯は数年前に機種変更しました。
連絡頂いたみたいですみません。
たくみ
2016/03/15 23:21
御礼といいますか
ちゃんとお伝えしたいと
メールで…(コメントしにくいことをちゃんと…)
と思ったのですが…
胸に秘めておけということでしょうか。
(でも私の本音というか複雑な気持ちというか
そんなものはきっと伝わっているかと…ネ)

いえいえ、大衆演劇どうこうの話や勉強ではなく、
(私は別に大衆演劇自体が好きとかそういうのではないのです)
是非この不思議な縁をきっかけに
たまにはまた思い出していただき、
またいろんなお話など、絡んで頂ければ、
そしてまたふと何か縁が面白く深まれば。
そんなことを思います。

というか!全然!understandじゃないのですが!
もう!もう!もう!鈍いというかどうしようもないというか
本当に失礼な人間で申し訳ありません。
気になって仕方なく、失礼すぎて申し訳なく・・・
が、ふと「あ」と思う瞬間が来るのを待ちます!

いつか寿座でお会いしましょう。なんて。
桃♪⇒たくみ様
2016/03/16 00:43

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