桃花舞台

アクセスカウンタ

zoom RSS ちょっとイイ女-うれしくてかなしくて、かなしくてうれしい-

<<   作成日時 : 2016/11/02 00:18   >>

面白い ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 2

寿賀ちゃん≠ヘきっと知ってる。
女の苦しさ、悔しさ、けれども女の幸せ。
女が女として生きること、そのしんどさもあるけれども幸せ。
女であることの誇り。女の生き甲斐。
そんな寿賀ちゃんはちょっとイイ女=Aいや、ずっといい女だ、これまでも。これからも。

寿賀ちゃん≠アと「新生劇団春」姫川寿賀座長。
初めて観たのは2年前(2014年8月)、初めての大阪オーエス劇場公演だった。
前座長(劇団春・座長/新生劇団春・総長)である
二代目姫川竜之助が病に倒れ新体制になって初の大阪公演。
(※この月総長は病からのリハビリの末一日復帰公演をした。本当にいい公演だった)

当たった芝居は『日陰の女』。

どの劇団でもやるオーソドックスな芝居だ。
≪出て行った妹が女郎になって身重になって帰ってきて・・・≫
大抵の場合、主人公は兄、呑んだくれの兄として演じられる。
けれど寿賀ちゃんは妹の「姉」で演じていた。
女なのに酒を呑んで、女なのに気性が荒くて口が悪くて、女なのに呑んだらもうめちゃくちゃで・・・
どうしようもないやさぐれ女だった。でもそれはなぜなら・・・最後、最後の最後にわかる。

飛んできた。伝わってきたではない、飛んできた、刺さってきた。本当の台詞(きもち)が。
思った。このひとは本当の痛みを知る人だ。人の痛み、女の痛み。
まっすぐだ。まっすぐで、まっすぐだ。

舞台の上の姉は「お源」(だったかな)であり寿賀ちゃんだった。

これまでにたくさんの女の役者を見てきた。
けれど正直に言ってもいい?観ていてしんどい人が多かった。
この大衆演劇という世界で自分は「女で役者、役者で女」。
その逃れようのないゲンジツを心の底から受け入れて板の上に立てている人はどれだけ居るだろう。
自分は女である―本当の意味で受け止め、舞台で楽しみ、楽しませている人はどれだけ居るだろう。
特に女だけれどもそこそこ目立てるポジションに居るひと、その舞台には「過剰な自意識」が滲んでいないか。
「男が羨ましい。男になりたい。男みたいに。男に勝ちたい。男を越そう」
滲んで、溢れて、芸から漏れているように見えてならない、もうだだ漏れだ。
「女ですから!」「女ですけど!!」「観て!!」「観ろ!!」舞台にぶつけられる「これでもか!!」な「私!(我)」
自然ではない。不自然だ。それは正統派の芸ではない。そして何より、哀しい、とても哀しい。
貴女の前にはお客さんが居る。いつまで「私!(我)」「私!(我)」で居る?
受け入れたいね、受け入れようよ。悔しさ苦しさでこじらせた自分の「女(ナカミ)」を。
その時やっと貴女は「本物」になれるよ。「大丈夫だよ。ちゃんと観てるよ」貴女の前にはお客さんが居るんだから。
思うことが本当に多かった。

そんな中出会った寿賀ちゃんは見事なまでに女だった。
悔し苦しみながらも、逃げず受け止め、逃げず楽しんでいるように見えた。
自分を、さらには他人も、姉として母として受け止めていた。それは他でもない、女の強さだ。
女だけど甘えなし。女だから甘えなし。甘えたいのよ!女なのよ!コラァー!
ハチャメチャに暴れながらも、でも、女ですもの、と、シャンと咲いていた。
だから男も(客も)甘えたヤツは許さない!
とばかりによく男たちをドSに茶化したりこきおろしたりしていた。そして、笑っていた、めっちゃええ表情(かお)で。
まるで抜き身の、いや、綺麗な細工の鞘に入った短刀のような≪女≫。
師を本当に尊敬しており、師の作った劇団を女として座長として守り、師の息子へ託した。
そうして、去ることを決めた。年内で引退。ひとりの女として生きてゆくことを決めた。

『日陰の女』では最後にわかる。姉が本当に本当に妹(他者・相手)を想っていたこと、つらかったこと。
呑んで、わめいて、殴って、泣いて。その姿は女。めっちゃ女。良くも悪くもめっちゃ、めちゃめちゃ≪女≫だ。
身を切るようなギリギリのやさしさ。心からの台詞(きもち)。強い。やさしい。なんて美しいやさぐれ女!

ねえ、寿賀ちゃん。
女って、楽しいよね。
女って、嫌なこといっぱいあるけどいいもんだよね、ねえ、寿賀ちゃん。
貴女は女のくるしさ、うれしさ、強さ、なにより美しさを見せてくれた。
この大衆演劇という生き様そのままの舞台で。
そんな貴方は≪ちょっとイイ女≫、
インタビューで「毎月必ず踊る」と言っていたあの曲のタイトル通り≪ちょっとイイ女≫。そして、これからもずっといい女だ。
うれしくてかなしくて、かなしくてうれしい。
ほら、どっかのあのフザけたステキなCMソングにもある、花の命は結構長い=B
願わくば・・・寿賀ちゃんがこの先、もっと幸せに生きてゆけますように。
大衆演劇の女の役者さん全てが、そして 客席の私たち が、皆、皆、
本当の意味で強くやさしい≪ちょっとイイ女≫であれますように、なれますように、あり続けられますように。
微苦笑しながら思うワシもとい私も女。とても、楽しい。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
面白い
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
二度目のコメントです 桃さんが、これだと思う座長さんは居ますか? 色んな劇団や座長さんを見てると思うんですが一人あげるとしたら誰ですか? 皆さんそれぞれいいですよ‥は無しですよ(笑)素朴な質問でした
桑名より
2016/11/07 23:11
コメント嬉しいです。
ありがとうございます。
三度目、四度目といらして下さいね。

そして、なかなか難しい質問ですね。
桑名よりさんは、どなたを挙げられますか?
是非教えて下さいね。

私はと申しますと、「これだ」と思う座長さんは・・・
うーん・・・トータルで申しますと「居ません」、正直な話。
たくさんたくさんほぼ観ましたが、「居ません」。
例えばジャンル別(お得意なもの)などにわけたりすると
「この方!」というのが挙げられます。が、トータルとなると、です。
やはり「厳しすぎ」「欲張り」なのでしょう。
なので永遠に探し中です。

が。「座長」ではなく、座長を降りられたその上の世代のレベルでは、
ひとり、たったひとり、居られます。
もう随分随分むかしに座長ではなくなり太夫元でもなくなり
舞台に立たれることも今では年に数えるほど・・・の方です。
出会えました。
幸せ(ある意味ゴール)です。
でも、だからこそ、ずっと、ずーっと、
今の座長さん劇団さん若い座長さん役者さんを
ツッコミ入れたりイライラしたりしながらも
長い目で観てゆきたいなと思います。
それって、とっても、楽しみなことだと思いますから。
かつ、越えてもらわないといけないと(も)思いますから。ネ。
桃♪⇒桑名より様
2016/11/08 03:33

コメントする help

ニックネーム
本 文
ちょっとイイ女-うれしくてかなしくて、かなしくてうれしい- 桃花舞台/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる