桃花舞台

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zoom RSS 「男」たちへ(そして「女」たちへ)〜役者たちへお客たちへ、今〜

<<   作成日時 : 2016/12/02 23:22   >>

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画像舞台に「男」が減った。
どこへ行った!
もう居ないのか!
滅びたのか?
そうして滅びてゆくのだろうか?

「男」―
仁を重んじ義に生きる。
強きをくじき弱きを助ける。
時にそうして肩で風をきり背中で泣く。

そんな古くは武士道の流れを組む
「にほんの男」、
今かろうじて生きているのは任侠の世界。
そしてその任侠の世界を
舞台でみせてきた大衆演劇の世界。
・・・のはずなのだが居ない、なかなか居ない、ほとんど居ない。

居るよ?今日も舞台に。
沓掛時次郎。下北の弥太郎。三浦屋孫次郎。
飛車角に吉良常。その他にもいっぱい。
けれど、どれだけの役者がサマになっている? 本当にまるごとその役に見える?
その役を越えて自分のものになるほどの役者はどれくらい居る?
私には今のほとんどの役者が筋と流れをなぞって演じているだけに見える。
舞踊でもそう、格好(拵え)だけ、追いついていない、越えていないように見える。
股旅演歌で三度笠、硬派な男歌に墨肉(刺青の肉襦袢)や南無妙法蓮華経・仏像着流し・・・
けど、格好をしているだけ。ナカミがない。ないんじゃない、伴っていない。軽い。
人気役者でも有名劇団でもベテラン大御所と言われてる人でも格好だけだったり薄っぺらだったり・・・
私だけなのだろうか?また求めすぎなのだろうか、見る目が厳しすぎるのだろうか。
なぜ皆その程度で絶賛しているのだ?なんだ。なんでだ。なんなんだ!

ずっと思いながら観てきた、そうしてある結論に辿り着いた。
それはひとえに≪時代の問題≫と≪現代の、人の成熟度の問題≫ではないかと。

時代の問題。これは仕方がない。仕方がないと言うのは嫌だ、けれど受け入れねばならない。
古い。舞台でという意味ではなく生き方としてどう贔屓目に見ても今風ではない。
≪男になりたい、男でありたい、男で死にたい≫、通す、貫く、貫き通す。
カタいし、損ばっかだし、なんか痛いし(色んな意味で)、しんどい。
なかなか理解されないししてもらえないし・・・あと、あんまモテない。
ただでさえジェンダーだセクハラだパワハラだ窮屈でややこしいつまんない時代だもの。
俺もなりたや鶴田浩二、高倉健、菅原文太・・・嗚呼古い。
ジャニーズ、韓流スター(花と竜ならぬG-DRAGON!)、EXILE、塩顔男子、草食系男子が今なのだもの。

昨年、ある若い花形の昇進公演に行った際のこと。
ショーの中頃、一番の見せどころの個人舞踊で幕があいた瞬間、客席の空気が変わった。
まだ少年のようなあどけなく、けれどセクシーで可愛いと評判の彼が
ふわふわ毛皮コート着物で優しい笑顔、≪約束します君を残して僕は死ねません≫・・・「きゃー!」
流行歌は雄弁に語る、生きた芸能大衆演劇、今を生きる今人気の役者たちと舞台は雄弁に語る。
NO、「義理と人情を秤にかけりゃ」「俺の死に場所ここだと決めた」「口も荒いが気も荒い」
YES、「弱い男だったけど君と会って幸せの意味を知った」、「これからも惜しみなく愛を注いで守ってあげるよ」
ああ、時代は変わっているんだ、大衆演劇は変わっているんだ、変わってゆくんだ。
大衆演劇は今を取り込む、大衆演劇は時代に寄り添って生きている、生きてゆくんだ。

個人的な好みを言うと私は大嫌いだこんなん=B
私が好きなのは「男」、
不器用でもがいていても不器用なほどに道と己を貫き通し
時にキザと間違われ損をする背中を向け理想とする「格好いい」を突き通す男、
≪ききわけのない女の頬を一つ二つはりたおし≫や≪寝たふりしてる間に出て行ってくれ≫くらいの。
(今ならとんでもない歌詞。目くじら立てて怒る人の多そうな!)
けれど、正直に言おう。私だってこの好みになったのはごく最近だ。
若い頃は男っぽい舞踊・男臭い舞踊が全然好きじゃなかった。
「男」な芝居は好きだった、けれどアタマで理解ながら全身で解りきっていなかった、
「男」、痩せ我慢の自己満足、芯から理解てきているとは言えなかった上っ面で痺れていた。
今思う、ニガテだったというより知らなかったからだ、男を、本物のそれを。
居なかった、見なかった、探そうともしなかったから出会ってこなかったからだ≪本物≫に。
つまりは(ええ歳して)女として人間として未成熟だったからなのだ。
そんな自分も含めて言うが、なんだか今の時代、男も女も大人だけれどオトナじゃない。
かつての時代と比べ、役者は勿論人間皆が、なんだか大人にはなっているのにオトナじゃない。
核家族、個人主義、殊更に個人を尊重しようすべきだという風潮、
パソコン、携帯、スマホ、ゲーム、マンガ、コンビニ、ファーストフード、
ディズニー、EXILE・・・ダメじゃない、あくまで≪例え≫、でもダメじゃないけど重みはない。
「命削って相手のために」「自分のことは後回しにして相手のために」「時にはぐっと黙って」
それよりめっちゃ自分自分、自意識自意識、「我」「我」「我」。
そんな今の皆が演じる股旅・任侠はやっぱりサマになったり越していることはほとんど稀に思えてならない。
「」つきの「男」「女」が舞台に、現実に、居ない、嗚呼消えてゆく。
残って欲しい。ちゃんとした形で、芯を持って。形だけでも・・・とは言わない、形だけでは意味がない。

一緒なんだよ。

≪約束します君を残して僕は死ねません≫と≪寝たふりしてる間に出ていってくれ≫は。

形は全然違うように見えて、けれども、一緒。

男と女の関係という意味ではない。

「自分よりも相手を思い、大切にする」、心。

だからね、出来るんだよ、なれるんだよ。

決して古いとか自分たちとは違う時代とかではなく、時代が変わっても「心」があれば。

そう、「心」。

だからね、皆で勉強したい。勉強しようよ。演じる側は勿論のこと、観る側も。
やはり現代の私たちは時代が離れてるからこそ学ばなければならないと思うのだ。
そしてそれと同じ位、それ以上に自らの≪ナカミ≫を育てる勉強をしたい、しよう。
だって、寂しいじゃないか、「昔は良かった」なんて。
悔しいじゃないか、「昔の人(役者)のほうが偉かった凄かった」だなんて。
今がいい、今に誇りを持ちたい、今に、今の舞台(じんせい)に、自分に、自分たちに。

そうすれば、きっと絶対、滅びないと思うのだ、思いたいのだ、間違ってなんかない。

「心」―時代が変わっても、時代を越えても、変わらぬ「心」で。

いい役者、いい客でありたいね。
いや、いい男、いい女でありたいよね。
「人間」として、今。




■omake■
3年前の記事。変わったところ、変わらぬところ、やはり変わらぬところ―
≪Dear,古き良き大衆演劇芝居 -From,与謝野晶子気取りの現代っ子- ≫
http://momo1122.at.webry.info/201301/article_10.html

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タイトル (本文) ブログ名/日時
カラスたちの『男酔い』-旅役者の「血」-
白鳥はかなしからずやなんとやらという歌がありますが カラスたち旅役者もまたかなしからずや否か。 厚い化粧に憂いを隠す旅役者とその日々の舞台たちは 私にはかなしたのしく見え、たのしかなしく見え、だからこそ魅了されてやみません。 なんて舞台なんだ、なんて人間≠ネんだ。 面白い、切ない。嗚呼やっぱり永遠に離れられない。 なんだかワルい男にハマってしまったみたい。 微苦笑します。そんなとき頭の中に流れるのは吉幾三の『男酔い』です。 ...続きを見る
桃花舞台
2017/01/31 19:15

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
とても嬉しいコメントありがとうございます。
(あくまで私宛てのメッセージであり
内容に直接関係のあるものではないので公開を控えることをお許し下さい)
深く読んで頂きましたこと、
また私自身のこれからに期待とエールを下さったことに感謝をし、
より一層楽しく厳しく≪稽古≫を重ね、
大好きな役者さんたち同様精進して参りたいと思います。
まだまだ若輩ながらも感性と筆で生計を立てさせて頂いていること、
ありがたいことに沢山ファンとおっしゃって下さる方や支持して下さる方がいらっしゃること、
全てを大切にしながら書いて生きて参ります。
本当に一生勉強ですね。苦しくて楽しいですね。
これからも是非共に勉強して参りましょう。
お付き合いのほどどうぞ宜しくお願い致します。
桃⇒みち様
2016/12/03 19:08
あ…なにか、わかるわぁ、言いたいこと。今の世界では『実在されるとクレーム対象』だよねそういう『キャラ』は。
らく乃
2016/12/03 19:50
女性どうこう論者さんとかがとんできそうな。
いや、ちいさな子供とかに親(など)が「男の子らしくしなさい」は×とか。
マッチョ的思想は古臭いとかウケるーとか。
・・・その通りなんですけどね本当に。でもね。
でもね、でもねなんだけどね、、、と。

そして・・・
御無沙汰しております!
忘れず気にとめて頂きまして読んで頂き嬉しいです!
生きてます。
またまた古い皆の連絡先皆消えちゃったので宜しければまたご連絡下さいませ。
桃⇒らく乃様
2016/12/03 19:55

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