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zoom RSS トンビとカラスと時代と「私」-これまでとこれからの旅芝居へ-

<<   作成日時 : 2017/06/04 15:22   >>

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すぎもとまさとの『銀座のトンビ』
哀愁とさみしさと男の強がりが描かれるこの曲はまさに旅芝居にぴったりで
同じくすぎもとの『男酔い』と並んで現代旅芝居を象徴する曲・・・
だと思っていたのですが、ですが!
先日びっくりしたのである。
踊ったのは「芯がある」「カリスマ」「オーラが違う」なんて言われたりする役者。
派手な、別に曲に何も関連なさそうな着流しでノリノリ満面の笑みで元気!元気!
その役者に客席は手拍子!手拍子!手拍子!
≪俺は俺のやり方で≫「●●(ハンチョ(名前))」
≪お祭りやってやるけどね≫の次≪ワッショイ≫に合わせて「ワッショイ!」(拳上げる)
私は思わず呟きました、「まじか」!

なにこれ。これ最近の当たり前?
私が観た役者や劇団とその客と客席だけ?
ではないんだろうなこの一体となる盛り上がり方をみるに。
楽しいね。一体感。イイネ。

けどちゃうんやない?ちゃうことない?この曲そんな曲じゃなくない?

曲よく聞いて。
曲の中の「男」が言ってることって結構切実やで。
たぶんこの「男」、心で泣いてるで、たぶんちゃうわ、絶対やで。でも笑ってるんやで。
だから切なる内容にわざと軽快なメロディ、大人の粋な気取り方、男の洒落。
普段は骨太ド演歌ばかりの大ベテラン…
若い頃はとてもキザで女にモテてモテて(by周りの役者)
まるで芝居の中の主人公よりも芝居な人生を送ってきた彼もある日言ってた。
「あの曲いいよ。いいよね」「わかる」「ん?」
「きっとそう思うやろうと思ってました。踊る姿全然想像つかんけど好きやろうなと思ってました」
「うるせえ」
そう、この曲の主人公はまさに「二人の幸せのために背を向けて「あばよ」と去る男」・・・の魂を継いだ「男」、
旅芝居の芝居で描かれてきた「男」の延長線上にあると言っても過言ではないような男像。
私がよく提唱する「さびしさというナルシシズム」の延長線上にいる「男」。
その歌をノリノリ、手拍子手拍子、ワッショイ!
熱狂の客席の中、私は呟きました、「曲に謝れ」(←友人曰く私の口癖「曲に謝れ」「芝居に謝れ」)

勿論これは私の見方、
それは彼(または彼女)のやり方(踊り方)。
いいよ、良くないけど。
芸術鑑賞会じゃない、曲の解釈の国語のテストじゃない。
楽しいし、盛り上がるし。
芝居でも舞踊(曲)でも「作品至上主義」の私が頭から煙出してキレてるだけで。
ただ曲のノリとワッショイの曲だとして使っているのでしょう。どうぞ。
いやあかんな。曲に失礼やな。
でもどうしようもない。もうそうなんだから。
そういうやり方でそういう曲として舞踊ショーのテッパンになってるんだから。
それこそ私が至上の作品と思ってる「俺の羅生門」のように
いつかどこか誰かで「これが銀座のトンビ」というものに出会えるのを信じるしかない
(※実はあるの知ってる・聞いている。まだ当たっていない。いつか当たりたい。
ヤンチャな喧嘩上等オヤジの『銀座のトンビ』。たぶんこれ「ビンゴ」だと思う私的に)

けれど心配ってか不安になる。
いや、やっぱりそうなのねと思う。
古くから描かれていて今も継がれてきている芝居の中の人物たちの気持ち。
伝わらないんじゃないか?いや感じようとすらしないのではないか?
曲(舞踊)ですらこうなのだから。
曲(舞踊)は曲(舞踊)でもこの曲―
古くからの芝居に描かれてきた「男」の延長線上にあるような
だから役者たちがこぞって、もしかしたら理解は出来ていなくても
血で惹かれ使う『銀座のトンビ』や『男酔い』がこうなのだから。
だからそのまま「筋をなぞるだけ」の劇団が増えたり(なぞるな!という記事@A
だから古臭いつまんないと敬遠され喜劇や新作芝居が増えてったり。
芝居よりもショーが人気になったり力が入れられたり。
芝居の心、描かれる男をはじめ女もだけど古くから継がれてきた
「にほんの」情や、義理や、時に極端なまでに「他人を想う心」。
時代を越えても時代が変わっても絶対に不変な心であり、
人間として理解できないことは絶対にない、やさしいあったかい心だと思う。
だから芝居という形で継がれてきた(昔の記事に)のだし
これからも継がれてゆく旅芝居の財産だと思う。
けどさ、けれどさけれどさ、不安になるよ。
増える喜劇や増えるつまんねえ(ハッキリ言ってすみません)芝居を目にすると。
趣向や見た目の派手さや綺麗さはピカイチに出来ている今の子たちが「書いた」芝居や
歌舞伎や新派や商業演劇の台本を入手したりお客さんからもらって台本みながら演じている芝居をみると。
大丈夫かな。大丈夫だよね。ねえ。
残るよね?形骸化したそれじゃなくちゃんと旅芝居の味のある芝居は残るよね?
新作狂言や特別狂言の合間に「気を抜く平日用の芝居」じゃなく残るよね?残すよね?
いや残すべきだなんて押し付けないよ。
けれどそれらも自分たちが楽しめるように自分たち流にしてやるよね?やり続けるよね?
素朴で味わい深い素材の味をわかって料理して見せてくれるよね?
または敢えてそのままちゃんと(なぞるのではなく)見せてくれるよね?
信じたいし信じてるいや大丈夫。
芝居もショーも一緒だよ、「物語(おはなし)」だよ、≪気持ち≫だよ。
描かれ、伝えられ、継いできた「物語(おはなし)」、≪気持ち≫、大切にしたい、 役者も。客も。
盛り上がる(盛り上がれる)、評価される褒められる人気になる、自分が認められる・・・よりも
いやそれも人間だものそうなりたいけれど、
でも、ベースにある、決して無視できない「物語(おはなし)」≪気持ち≫、大事にしたい。

ノリノリ、手拍子手拍子、ワッショイワッショイの『銀座のトンビ』。
舞台と客席を感じながらそんなことを考えていました。
味も哀愁も色気もへったくれもないなんてトンビもカラスも泣いてる。
いやトンビもカラスも群れるようになったんですかね。
それともトンビやカラスは絶滅しちゃった・・・とは思わない、思いたくない、ワッショイ!



◆omake◆
本日書いたもう1つの記事はこちら↓ ある意味セット。
【色気とは・旅芝居とは-新劇団・イマドキ『恋曼陀羅』-】
http://momo1122.at.webry.info/201706/article_1.html

あと、『銀座のトンビ』にまつわる過去記事も。
【今日も笑顔で毎日「ワッショイ!」-大衆演劇、それは人生の旅人達の毎日の祭- 】
http://momo1122.at.webry.info/201311/article_7.html

【ワッショイ!-『銀座のトンビ』を、大会にて-】
http://momo1122.at.webry.info/201110/article_22.html

【カラスたちの『男酔い』-旅役者の「血」-】
http://momo1122.at.webry.info/201701/article_4.html

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私的・旅「芝居」考-そんな芝居が観たい(観られる!)の話-
私は芝居を褒めない。 めったに褒めない。 芝居が好きだからだ。 異常(キチ●イと書きたいがいい言葉ではないので)なほど好きだからだ。 ...続きを見る
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