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zoom RSS 生 -大衆演劇の「心中」-

<<   作成日時 : 2012/04/21 21:55   >>

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「心中」…想い合う二人がこの世では一緒になれないから死んであの世で一緒になる。
想い合っているのにゲンジツどうしようもならない…という哀しさ・儚さ…美しさ。
ん? でも「心中」ってホンマに綺麗?!

大衆演劇の舞台に「心中物」はよく現れます。

例えば、『北の蛍』(森進一)に合わせて梅川忠兵衛(近松)で相舞踊。
例えば、『お○○』(島津亜矢の古典ヒロイン歌謡浪曲シリーズ)でひとり踊り。

でも、大衆演劇の心中は、なんともまぁ逞しい。

舞台上にいる美しい女と男が、人の道に反した恋ゆえ、「死」へと向かう逃避行。
客席はほぅっと見惚れ、舞台上で演じる彼らは気持ちよぉなり…
まさに耽美的倒錯的「非現実」な世界観が繰り広げられ…

でも、はらりと舞台上によろけた「おさん」は曲&出番が終わると立ちあがってスタスタとハケていくし、
ラストショーでお互いの腕の中で果てた梅川と忠兵衛もムクリと起き上がって、
「はい、ありがとうございました〜」「大入りでぇ〜す」って男&座長のだみ声で挨拶する。

そして、「送り出し」というお客さんとの触れ合い&接客の場に出て、
キャアキャアと向けられた携帯カメラに最上級笑顔&ピースサインを送る皆さん。

「舞台(虚)」…「型」「世界観」から一気にゲンジツへと戻る。

そんな大衆演劇の心中は、綺麗というよりも「逞しい」。
まさに「生活=舞台」な世界で「生きるための心中」、
なんだか可笑しいくらい、綺麗やけど綺麗というより、素敵なくらい「逞しい」。

ん? でも、待てよ? 「心中」ってホンマに綺麗やろか?!

「世間体」や「常識」や「人の道」に外れる恋ということは解っているのに、
理性より情が勝っちゃって堕ちてゆく、だから落ちて逃げて、死ぬしかない「心中」って、綺麗やろか?

「嗚呼、こんなに愛し合っているのに一緒になれない私たちは今から死にに行く、嗚呼なんてカワイソウな私達」

「死」という究極的ゴールに向かってゆくからこそ、2人は恍惚状態、超禁断、だから超快楽。
そんな究極的な「我」の突っ走りである「心中」って、美しいちゅうより、「我」「我」「我」。

死ぬねんけど、どうしようもなく「生」のパワー。
生臭い、人間臭い、人間そのもの。
綺麗というより逞しい。

そう考えると、大衆演劇の、あの美しくも逞しい「生」な心中は、最強、ほんまに「心中」ですね。

ワシの大好きな古典落語に『星野屋』という心中噺があるのですが、
これも、とことん、どうしようもなく、えぐいくらいに「逞しい」のです。

この噺のヒロイン「お花ちゃん」は、
囲われていた星野屋の旦那から別れ話をされ、
その場のテンションで「そんなんやったら私死ぬ!」と言うて、旦那さんと心中することに…。

でも、しょーみ、死にたくなんかない。だって私まだ若いし、やりたいこといっぱいあるし!

だから、
いざ心中の際、
橋の上から一緒に川に身を投げ…ずに、
後ろに飛んで自分だけ生きて帰ろうと思ったら、旦那はん、フライングして飛び込んでもた。
「旦那さん、いつも早いの」(※下ネタ。笑)

しれっと家帰ってお茶漬け食うてたら、
使いの者がやってきて「旦那の幽霊が出て、「お花に騙された。呪い殺す」」って、キャー!

使いの者に懺悔のために髪をおろせと言われ、
しぶしぶおろすと、彼が玄関の方向いて、「旦那さーん!」。
ほな、死んだと思っていた旦那はんが玄関から入ってきて「よぉ、お花!」って、えー?!!

そこから起こるどんでん返し&どんでん返しはまさに男と女の騙し合い、狸と狐と化かし合い。
綺麗どころか、きたない(笑)、生に満ち満ちた心中話、でもなんだか痛快、そう、逞しさを感じるから痛快。

昔、ワシは、≪大衆演劇=「生」≫の魅力を教えてくれた“師匠”的役者さん…
そう、“狸”に、「(無意識的)駆け引きしたらあかんで〜」と言うたことがあります。

そのとき踊っていたのは、忘れもしない「おさん」。

綺麗で逞しく、どうしようもないあの「おさん」はホンマに、綺麗…。
うん、それはもう思わず心中したくなるほど…。

画像


と、いうのは嘘ですが(笑)
「逞しい」ってことは、綺麗事の美しさではなく、本当に美しい「にんげん」の面白さ、美しさだと思います。

それって、んもう、
どうしようもなくって笑ってしまうけど、でもほんまの面白さ、いや綺麗さだと、ワシは思うのです。

やっぱ、心中しよか。

…狸と狐でさ(笑)



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大衆演劇の心中物と言えば、私的にはやっぱ、
同魂会の寄り合い(?)で観られる、アイカワ(哀川昇座長)とエンオーくん(橘炎鷹座長)の『梅川』!

そして『おさん』はやっぱ「おっさん」の舞台に限ります。

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