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zoom RSS 想い駆け巡る“ドキュメンタリー大衆演劇”-『拉致 母千里』-

<<   作成日時 : 2012/05/17 22:14   >>

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画像劇団「春陽座」の初代・新吾さんが演じたのは
名付けて「ドキュメンタリー大衆演劇」。
テーマは、北朝鮮による日本人拉致の問題。
1時間半ほどの間、娘「めぐみ」を拉致された母
「横田早紀江」に成り切り、ほぼ独り語りの一人芝居。

芝居のタイトルは、ずばり、『拉致 母千里』。

この芝居は一昨年、
拉致問題に興味を持っていた清水劇場の支配人が台本を書き、
それを春陽座の初代座長「澤村新吾」さんが手掛けるようになった。

と、ワシは前日の読売新聞朝刊(※これ)で知りました。

悪趣味と思いますか?
デリケートな問題を舞台とは言え、「商売」にして!と思いますか?

ワシは少し思いました。
それよりも、「観たいんか?それ?!」と、思いました。

今はもう「楽しい面白い」よりも
「その≪まるっと人間な舞台世界≫を客席から全て観たい」
と追っている訳のわからんワシはともかく、
お客さんは「楽しみ」として来ている劇場で≪しんどい・重たい≫もの、≪ゲンジツ≫は観たくないんちゃうか。

そんなワシらは、
ダメなことかもしれへんけど、
普段テレビのニュースや新聞などでこういった問題が報道されても、
「ああ、またか」「もうええわ」or「かわいそー。もう観たくない」になったりする。

でも「もうええ」ことないし、「かわいそー」なんて他人事なぞと思ってはいけない。
これは、今もゲンジツに起こっている問題であり、しかも解決はしていない。

拉致被害者である母に扮した女形姿、
いや、“ふつうのオバチャン”に扮した新吾さんはその現状、切々と訴える。

演劇って会話によって成り立つものだけれど、一人芝居はいわば「独り語り」。

悲しみを、これまでの軌跡を、メッセージを、
哀しさを、怒りを、いや、やりきれなさを、切々と訴える。

どこまでが本当でどこまでが創作なのか解らないけれど、ものすごくリアル。
だって目の前で「絵」で見せられる、舞台上の、感情のこもった訴えで見せられる。

正直、観ていて途中でシンドなる。
「もういい」って、時計見ちゃったりしちゃう。
けど、「もうよくない」。だって、「終わってない」。
芝居の幕は閉まっても、この問題は解決していない。

台詞の中に「私、親バカでしょうか? 親バカですよね」ってあった。
また演じ終わった後に「長々とお付き合いいただきありがとうございました」。

この2つに、ワシは、台本書いたひとと、演じたひとの気持ちを感じました。

そう、解っている。でも、「それでも」、演じる。思いを、カタチにし、伝える…。

幕が閉まると、
明るい音楽と共にもう一度幕が開いて
さっきまで熱演していた初代がカラッとした笑顔で挨拶されました。

実際の横田さん夫妻もこの芝居を観たということ。
手をとって「問題が解決するまでこの芝居を上演し続けてほしい」と言われたこと。

そして、「1分だけ時間を下さい」って、言うねん。

「この問題はまだ解決していないけれど、
≪こうあって欲しい≫という希望をこめたシーンを、今から、1分だけ演じます。
1分だけ、時間を下さい。付き合って下さい」そして、そのシーンは…。

ああ、「舞台」でした。
それは綺麗事なんだろう、
けれど、それは舞台だからこその綺麗事で、綺麗事だけれど、きっと、そうなる…と思いたい、思わせてくれた。

この1分間があるゆえに、
この芝居はドキュメンタリーでもなく、社会問題を「利用」した訳でもなく、
ただ、ひとつの、大衆演劇の芝居になっていると思いました。

そして、この芝居は、きっと、これから先、国を、世界を動かす。そのきっかけになる…。

親子の愛、特に「母」というテーマは大衆演劇で王道のテーマです。
それが現代に形を変え、演じ続けられて行く。
これ、面白いという言葉は違うかもしれませんが、意味のあることですよね。

初代は挨拶の際、
「これを演じていて、社会的なテーマにも取り組みたくなった。
特に介護の問題…(例えば)今、映画でやっている『わが母の記』を舞台化したい。 
次の大阪公演には必ず持ってきます!」と晴れやかな笑顔で言うてはりました。

わ!「ドキュメンタリー大衆演劇」だ。
新ジャンルが出来た。まだまだ初代も「これから」があるんだね。

嬉しくなった。

そう、人の想いは駆け巡る、千里を駆け巡るんだよ、うんきっと…。

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5月13日、朝日劇場、夜の部。
長かった。しんどかった。うへぇって何度かなった。けど、観られて良かった。

いろんな芝居がある。いろんなひとがいる。それっていいね。

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存在 -沢田ひろし-
「春陽座」には「沢田ひろし」サンという役者さんが居ます。 オッサンではなくニィチャンでもない、ちょうどいい歳。 痩せすぎず太ってもいない、ちょうどいい体型。 座長ではなく花形でもなく、家族でもない、あの存在、あのポジション。 嫌味なくらいのびやかに踊り、たっぷりと芝居するその舞台姿は もう、「巧い?ハイ!巧いですよッ」って感じの“のびのびさ”!です。 ...続きを見る
桃花舞台
2012/05/17 22:17

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
春陽座は一回しか観てないけど
初めての芝居がこれだった。


もう衝撃的、マジで。


でも泣いた。



朝日、行きたいなー
8月は弁天座らしいですー^^
がっちゃん
2012/05/20 02:16
わぁ、初めてがこれだったなんて!
巡り合わせ?!
ちょっとシンドイけれど、でも、いい体験でしたね。

好き嫌いや賛否は分かれると思うけれど、
「芝居に力を入れています!」と言う劇団さんだけあって、
とても意味のある企画だと思いました。
「心意気」を感じました。

そういう舞台が観られると、すごく、嬉しいよね。

朝日劇場も、弁天座も、大きな舞台だから、
どこの劇団も気合いの入ったお芝居がたくさんかかるよね。
仕掛けやなんやで、「ここだから出来る」芝居も多いよね。
大きな劇場で観る楽しみですね。
行っちゃえ、行っちゃえ!…と、けしかけてみる(笑)
桃♪⇒がっちゃん様
2012/05/23 01:33

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