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zoom RSS 「隣りの女」 -大衆演劇の「心中もの」舞台から-

<<   作成日時 : 2012/08/18 15:50   >>

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画像向田邦子の『隣の女』って短編。
それは一人の女が“グラッ”と落ちて、でも「戻ってくる」お話。
随分昔にテレビドラマ化もされたらしい。
その際のタイトルは『隣りの女〜現代西鶴物語』。
読んでいるうちに思い出したものは、
大衆演劇の「心中もの」舞台と、それに魅入る客席です。

大衆演劇の舞台で人気の演目、「心中もの」。

あれ、ワシには
大衆演劇の妖しくも素敵な魅力を象徴しているように見えます。

「おさん」(『好色五人女』)、
「梅川忠兵衛」(『冥途の飛脚』)、
森進一の『それは恋』(『近松心中物語』)、
平井堅の『哀歌』(渡辺淳一の『愛の流刑地』)…。

ゲンジツ自分の身には絶対に起こらへんし起こってもぉても困る、
最強・極論にロマンチックな「純愛」ワールドを
1000円くらいの木戸銭の小屋で、会いに行けるスターが濃厚に濃厚に演じてくれる。

道ならぬ恋に溺れ、「死」を選ぶ男と女。
生死の狭間だからこそ漏れる、官能的なまでの「色気」が、近く近く表現される。

それは、色っぽくて、ドラマチックで。

ワルい言葉で言うと現実逃避、
いい言葉で言うと日常の息抜きに来る客に
「ケ(日常)」から「ハレ」(舞台・虚の世界)への最強トリップをくれる。

最強に甘く、麻薬的。

ああ、舞台と客席、演者と客との距離が
近い(…ように見える・思える)大衆演劇という世界!

で、
その甘さ楽しさ美しさ、
ゲンジツ非現実ないまぜのようなドラマに入り込み夢中になるあまり、
どっぷりとハマって抜け出せなくなってしまう…
なぁーんてひと・ことも、ひとり、ふたり、あのケース・このケース……。

うっかり、落ちちゃだめだよ!

≪心中≫しちゃ、ダメだよ!

それは、「虚」(舞台)の世界の話だよ!

って解ってるんだけど、“グラリ”とする、この危険な楽しみ!…みたいな!

まさに≪極楽はちょっと手を伸ばせば届くところにある。地獄はうっかりよろける足元にある≫

心中ものの二人は死んでしまう。

けれど、大衆演劇の舞台上での心中は
“あの”表情を見せて果てるも、むくっと起き上がって、
「ありがとうございましたー」「また明日も来てねー(握手)」と、続いてゆく生きてゆく。

西鶴、江戸のおさんは死んでしまけれど、
でも向田邦子描く昭和のサチ子は一世一代の“旅”を終えて「ケ」へと戻ってくるよ。

「ケ」と「ハレ」、この世とあの世、実と虚、女と男、ホントとウソ。

近くて遠く、遠くて近い大衆演劇=「舞台」。

そこにあるのはとてつもなく、いろっぽい、大人の世界大人の魅力。
その楽しみ方は、「私(あなた)」次第。

そんな素敵世界の魅力に誰よりも深くハマってもがいているのは「私(あなた)」。
そう、「隣りの女」である「私(あなた)」かもしれません。

楽しいね、ワクワクするね、ゾクゾクするね、ああ、≪人間≫、やね。

なぁーんて思う、向田邦子でもなく、西鶴でもなく、ワシ、ワシは桃です。

いったり、きたり。向かったり、戻ったり。はまったり、さめたり。…ドボン!(笑)


向田邦子/隣りの女

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大好きな上方落語と合わせてヒネクレて書いた【生 -大衆演劇の「心中」-】
大好きなオッサンの『おさん』vsワシ(?!)な【『おさん』-心中物と役者とお客と生と死とオッサンとワシ- 】もよろしければ…。

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