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zoom RSS 継いできたもの、継がせてきたもの、継がせてゆくもの-「本家・森川」の『人斬り林蔵』を観て-

<<   作成日時 : 2016/03/10 03:53   >>

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「本家」の『人斬り林蔵』の圧巻はクライマックスの立ち廻りだった。
水と、塩と、血糊と、お経の立ち廻り。
漂う、激しさとねっとりじめりとした暗さ。
日本の土着的な風習習慣空気。死、生、死の最も近くを生きるやくざという者たちの末路。
その趣向と演出は「本家」が継ぎ、継がせ、継いできて、継がれてゆく「型」であり
「ウチが最初にやったんです。本物です」とハッキリ公言するプライドからの激しい殺陣に見えた、
これが「本家・森川劇団の林蔵だ!観ろ!」
そう言わんばかりの、ハードで、「ちゃんとした」、『人斬り林蔵』のラストに見えた。
嬉しくなった。

『人斬り林蔵』(『赤尾の林蔵』)

「いろんな劇団でやってるでしょ?ウチが最初です。本物です」(口上にて、竜馬副座長)
「十八番」「森川の代表作です」(過去の雑誌より・ベテラン二代目長二郎)

なので観に行った(※2月14日、オーエス劇場、夜の部)

これが、良かった。

老いたやくざの林蔵。
島から戻ってみるとかつての縄張りは自分が鼻にもかけなかったような野郎の手に落ちていて。
会いたい見たいと一日たりとも忘れたことのない娘はそいつに狙われており。
可愛がっていた若い者の機転で次郎長のところへ預かってもらっていたのはいい、
が、その若い者は病の床。
聞き、娘訪ねようと目を離した隙に若い者は野郎の手にかかりあえない最期。
だから老いた元やくざ、林蔵は、若い衆の為に最期のドスを手に・・・

これまで何劇団で観たことか。

けれどさすが本家と公言するだけのことはある。

ちゃんとして、ハード。

時間にして20分くらいあっただろうか。
水(下手に作られた井戸からの本水)
塩(壺から撒く供養の為の本塩)
血(大量の血糊)
そしてお経(風の曲)を使ってのクライマックス立ち廻り。
「これでもか!これでもか!これでもか!」と見せる様に感じたのは
「ウチが最初や」「これが本物や」「これが森川の林蔵芝居や」のプライド。

と、同時にもうひとつ感じたのは「型」。

今風な「俺流アレンジ」的な演出や趣向ではなく、「型」。
は「継いできたもの、継がせてきたもの、継がせてゆくもの」、その「型」。

老ヤクザの物語、それを魅せる上での趣向、演出、「型」。

≪「本家」の『人斬り林蔵』≫の「型」。

嬉しくなった。

「森川劇団」という劇団は
正直、私にとって「どないなってんねやろ」「よぉわからんなあ」な劇団だった。
ここ数年からの大衆演劇ファンには「若い座員が元気にハジケル劇団」と映るのだろう。
が、10年位の私には「あのひとは?」「で、結局?」「誰がどういう関係?」
昨年他劇団の若手大会的なものでここの若手たちを観て「?」「若」「誰」「今風!」
座長や副座長を観ても「役者役者してへん。ええ意味で普通のにーちゃんみたい」

が、この林蔵芝居に見た気がした。

大正から続く老舗劇団の「継いできて、継がせてきてそしてこれから継がせてゆく」型とプライド。

ああ、「本家だ」「森川の人斬り林蔵なんだ」

素直に受け入れられた信じられた。

嬉しくなった。

その後の舞踊ショーは評判通り若々しくて。
演歌もほぼ定番曲ばかりで。
POPで、自由で。
若いコたちをはじめ、
座員に黄色くって熱い声援が飛ぶ。
けど、なぜだろう。
若いけれどイケイケ今風すぎるきらいはなかった、
そこにも「継いできて、継がせてきてそしてこれから継がせてゆく」何かが感じられたような気がした。
キャーキャーを浴びていた彼らは、
でも、芝居では脇役でも皆全員しっかりと「芝居」していた、
「しようとする」気持ちを感じられる演技に見えた、「ああ、学んでいるんだ、ちゃんと」
自由だけど、自由な中に「We are 森川」の芯とプライドのようなもの、
にほんてきな、土着的な、大衆演劇の大衆演劇らしい部分、「らしさ」、
なぜだろう、どこか、そんな匂いを、皆が感じさせてくれた。
だから、懐かしいような、心地よいような。
うん、だから、若い観客だけじゃなく男のお客さんや昔からの根強いお客さんも応援し続けているんだ。
そう思った。

「We are 森川」
彼らが、(今の)、森川。
継がせ、継ぎ、継がれてゆくのだ、「劇団(家)」を。

ニタ、とした。

まだまだ捨てたもんじゃない。

大丈夫だ、きっと、大衆演劇は。

語りかけたくなった。

この日の、いや、この劇団での私のお目当て、
全ての元凶…いやいやラスボス=A
口とんがらせて敵役を熱演していたベテラン、二代目森川長二郎(過去記事)さんに。

いろいろあったけど、それでも守り(?)、
継がせてきた「森川劇団」はこれからもきっと安泰ですね、嬉しいね。

長二郎さん。

そして、

林蔵さん。

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