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zoom RSS HERO -大衆演劇の魅力、≪愛しさ≫、「生きているということ」-

<<   作成日時 : 2016/04/11 02:09   >>

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どう観たって「きっちりした舞踊」ではない。
『HERO ヒーローになる時それは今』(甲斐バンド)!
ご丁寧にドラムの生演奏まで付いている。
叩いているのは役者やなく劇団の身内らしいチョイ悪オヤジ。
役者は両手で親指立ててノリノリ、御機嫌!着流し姿でディスコフィーバー!
これ、ちょっと前に観た舞踊ショーでのひとコマ。
ゲラゲラ笑った、眉をしかめながらツッコミながら。
舞台上も客席も凄くいい表情(かお)をしていた。
だから私は大衆演劇が嫌いじゃない。愛しくて、たまらない。

想像して頂きたい。
数ある中から老舗劇団の副座長がこの選曲!
まず真顔になった、呆れた、笑いもせず、怒りもせず。
しかし真顔はすぐに変わる。笑ってしまう。その笑いは≪愛しさ≫だ。

本当は自分の中には「好き嫌い」がハッキリとある。
近年流行りのチャラけた舞踊は好きじゃない。
しかし「私、巧いでしょ」とひとり悦に入った舞踊も鼻に付き冷める。
出ずっぱり?早着替え?化粧公開?ロング公演?三枚目大会?プレゼントデー?
これらも皆好きじゃない。そんな時代になっている今が悔しい。
本当は芝居をがっつり観たい。なんなら客放ったらかしぐらいの芝居がいい。
だから今までに心から「凄い」「心に残る」と思った芝居は正直たった数本だけ。
かくして友曰く「厳しすぎる」、とある大御所役者さん曰く「ちくしょう、欲張り(笑)」

ファンとして追い出して数年でいやがおうにでも「滲み出るもの」に気付いていた。
人間性・今の状況や想い・コンディション、自分ではどうしようも出来ないもの・・・
怖いほど、残酷なほど、無自覚にも舞台姿から滲み漏れるそれ。
私はそれらを見ないようにして綺麗なことやものだけを見て語れるほど利口になれない、ならない。
その「滲み出るもの」はすなわち大衆演劇の舞台の良くも悪くも素敵な魅力だとすら思うから。
だから評論めいたことや小賢しく芝居論を語ることがあまり好きじゃないし、したくない。
人間だ。人間が生きているのだ。この舞台、大衆演劇の舞台には、日々、毎日。
更に公私共にどっぷり関わるようになり更に幕内のそれぞれの事情ももっと嫌でもわかるようになった。
エラソーなこと好き勝手なこと言うのがもっと嫌になった、いや、言えなくなった、言いたくはない。
元々キツイ性格のくせにどこかお人好し?!いや只の阿呆である。真面目すぎる阿呆である。
(だから「人間」が好きとかアホを言い続けられるのだろう)
芝居となりゃ鬼のような顔で観る、納得がいかないところが一つでもあればもうダメ。
けれど≪嫌いな物はいいところを探す、好きな物はダメなところを探す≫
「こんなんもありやろう」「ウケてるねんから」「楽しそうやねんから」
そう思うと、しんどくも、楽しい。ちいさな自分がもっと大きくなるきっかけを貰える気すらする。
今を否定してはいけない。否定することは凄く簡単だ。
客席に居る客だからと胡坐をかき安全なポジションで好き勝手を言うのは簡単だ。
でも私はそんな人間ではありたくない(言うなら直接言う、相手に、考えた末、ちゃんと言う)
大衆演劇に「いい芝居、悪い芝居はない」(これは我が生涯の「師」から学んだこと)
全てはただ単なる好き嫌い、好みであり主観。好きじゃない、でも否定もしない。
「今」は「今」でありそれは「現実」。だから「今(そのもの)」を見る。
その上で言う時は相手に直接ちゃんと言う、滲み出るものや状況やを考えて、相手の気持ちになって。
そう思って足を運び、仕事として関わっている。
だから仕事となり、仕事として関わり続けられている。

そうしてゆく内に・・・見えてきたのはこの世界のとてつもない懐の深さだった。
ちっさな自分以上に、そんな自分も包み込むような、
まるでこの世そのもののようなデッカさ、深さ!「皆ちがって皆いい」!
この世にいろんな人間が居るのと同じように
舞台に立つことが生活であり人生である大衆演劇には本当にいろんな舞台がある。
本当にいろんな人間が生きている、日々、毎日、舞台に、舞台で。
そしてそのそれぞれを愛し、支え、心の支えにしたりする客席とお客さんが居る。
この深さがとても、たまらなく、愛しくてならない。泣けるほど笑えるほどしあわせなことと思えてならない。
役者も人間、日々毎日、きっと人前では見せぬ辛さしんどさがあるだろう。
けれど日々毎日が舞台、笑顔の舞台、人前に出るという生業。
客も人間、日々毎日、ここに座って見とれ楽しみ笑う以外の顔があるだろう。
だからこそ舞台に立つ役者たちの本当の笑顔…のようなものに触れた瞬間がとても嬉しい。
そして客席も笑っている瞬間、何より嬉しく、愛しい。
出来ればそれは芝居であって欲しい、その達成感であって欲しい(嗚呼やっぱり欲張り)。
けれど芝居は深い。一生モノの勉強。だからそう簡単にはいかないのだ。だから、面白い。
さらに感性というものは人それぞれ、芝居もそれぞれ、それぞれでいい、それがきっと、面白い、深い。
そもそも、芝居がどうだどうあれと願い、思うも私の主観であり、私の好みなのだもの。
芝居でなくてもいい(やだけど)、いい表情(かお)に出会えるその一瞬一瞬が、とても、嬉しい、楽しい。
苦笑いしたり、ツッコんだりしながらも本当にそう思う。

あの日のノリノリの『HERO』を思い返すと又しかめっ面の後笑ってしまう。
なんて舞台だ。なんて選曲だ。
ヒーローになる時それは今。
まさにこの瞬間だけは皆のヒーロー、「今」、世界でひとりの「私(自分)」のヒーロー!
アタマではなく体が喜ぶ、全身全霊で愛しくなる。
「ホントくっだらねえなあ」「生きてるって愚かしくも馬鹿馬鹿しくも素敵やなあ」!
面倒臭くて気持ち悪くてちいさくて弱くて愚かな≪人間≫というもの、
けれど、嫌いになれないこの面倒くさ…いえいえ、不思議に素敵さ。
すべてのひとが、オーバーに言うと≪人間≫というものが、たまらない。
この世界、旅芝居大衆演劇というものに触れる度より一層どうしようもなく、好きになる。

ふと気付けば無意識に「ヒーロー!」などと口ずさんでいたり我に返ったりしている。
そんな瞬間も嫌いじゃない、そんな自分も嫌いじゃないとまた笑う。
だから私は大衆演劇がたまらない。≪人間≫が、愛しくて。



≪omake≫
今回の記事と合わせて(ま、いっつも同じこと書いているけれど。。)
・・・もし悩んだり、考えたり、そんな時、何かの足しになったりしたらとても嬉しい。


■いい芝居とは〜My Dear, 大衆演劇、役者さんとお客さん〜【はじめに】
http://momo1122.at.webry.info/201503/article_1.html
■今日も笑顔で毎日「ワッショイ!」-大衆演劇、それは人生の旅人達の毎日の祭-
http://momo1122.at.webry.info/201311/article_7.html
■「一番凄ぇのは、大衆演劇なんだよ!!」-≪舞台=生活≫の難しさ、せやからこその素晴らしさ-
http://momo1122.at.webry.info/201406/article_4.html

■Dear, 愛しきコアな大衆演劇ファン-明日の大衆演劇と自身の為に-
http://momo1122.at.webry.info/201406/article_2.html

よく検索や人気を頂いている「お花(ご祝儀)」に関する私的考察
(・・・こちらも奥深くて私もマダマダな。。が、何かの足しになったりしたらとても嬉しい)

■イキイキと-桃的≪お花≫にみる≪大衆演劇≫讃歌-
http://momo1122.at.webry.info/201401/article_4.html
■愛をこめて「お花」束を -綺麗で汚く、素晴らしき大衆演劇“御祝儀(おはな)論”-
http://momo1122.at.webry.info/201306/article_2.html
■「我」 -座長大会の風景 大衆演劇の風景 人間の風景-
http://momo1122.at.webry.info/201112/article_16.html
■今宵会う人皆美しき、アホやけど皆めちゃ美しき〜第16回歳忘れ顔見世座長大会
http://momo1122.at.webry.info/200612/article_20.html

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
そんな懐の深さに対して、観る側も懐を深くして受け取らなければならないって思いますね。でも、なかなか大変な作業ですよ、これは。
その深さゆえ迷子になったりもします。ここにも一人、迷子がいます(笑
はんつー
2016/04/27 15:28
本当にそう思います。
私はね。
人さまざまだから「いえ、私はそうは思いません」って言う人も居るかもしれない。
それはそれでいい。
けれど私はそうありたい。
本当に懐広いというか、
人間が生きている世界そのものって言ってもいいような舞台であり世界だから。
そんな大衆演劇に出会え、育ててもらったのだから、
≪おおきく≫なりたい、
そんな人間になれるようになりながら観続けたい。

愛です。
なんちゃって。
桃♪⇒はんつー様
2016/04/27 22:08

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