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zoom RSS 本当に大事なのはそこですか?-例えば「立ち廻りハデハデ芝居」と「刀くるくる舞踊」-

<<   作成日時 : 2017/08/13 23:08   >>

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あなたは好きですか?
「立ち廻りハデハデ芝居」と「刀くるくる舞踊」
どうですか?

先日、古いレンタルビデオを観ていたら
三池祟史監督の『十三人の刺客』の予告が流れ懐かしくなりました。
当時観たな。なんで観たんだろう。なんしかピンと来なかったなあ。
さらにこの映画を大衆演劇の芝居でも観たことを思い出しました。
若手の友情会というか大会でかけられたのです。
剣友会のメンバーなども呼びなんともまあハデにやっていました。
簡単に言うと悪い殿様をみんなで打ちにゆく話です。
見どころは壮大な立ち廻りです。というか立ち廻り以外筋のないような話です。
こんなんどうや!こんなんどうや!ばっさばっさのばったばった!
滝のような汗を流してケガしてもおかしくないような
アクロバティックな技を連続する役者たちに客席は拍手喝采でした。
ハデにポーズキメるたびにハンチョが飛んでいました。
そんな客席の片隅で私はひとり苦笑いでした。
「みんな好きよなー、立ち廻りハデハデ芝居」

わかります。
やってる方も観てる方もアドレナリンが出るのでしょう。
「凄かったー」「カッコよかったー」(観る方)
「気持ち良かったー」(やる方)
仲間たちが正義のために力を合わせばったばったと斬ってゆく、最後悪いやつを倒す。痛快。
今でこそ苦笑いの私も幼い頃は時代劇の立ち廻りに熱くなっていました。
暴れん坊将軍。吉宗がカチッと刀を構えあのBGMの中ばっさばっさ。
時代劇研究家ペリー荻野言うところの3バージョン
@「やってしまえ(と立ち廻りの後)何!上様!」
A「この者は上様ではない、やってしまえ」
B「上様だとわかっても仕方ない、お命頂戴、やってしまえ」
どのパターンだろうと気持ち良かった、あのBGMを聴くだけで気分が高揚していた。
幼き日の素直な私は大きくなったら上様の横で地味にも凄い活躍を見せる女御庭番になりたいとも思った。
(ヒロインやお姫様ではなく御庭番というところが私らしいですが)
さらにもうちょっと大きくなってドハマりした黒澤映画でも立ち廻りはカッコイイ。
『用心棒』での格好いい三船敏郎と
今からしたら考えられないチャラ男演技最高の仲代達矢の西部劇な立ち廻り。
あれも「ええなあ!」。うん、いまだに思います。

そう、決して私は立ち廻りが嫌いなのではありません。

けれど最近私はちょっと疑問と危機感を感じたりするんです。

1ジャンルとしての立ち廻りハデハデ芝居はいい。
数ある芝居の中で「今日はこんなハデハデやってみました、
この作品はこのハデハデを観てね、本気でやるからね」はいいのです
けれどたまに本末転倒に立ち廻りを頑張る芝居や劇団をみるように思うのです。
「いや、その芝居、立ち廻りに力入れる芝居ちゃうやん」
「いやいやいや、めっちゃ立ち廻り頑張ってるけど、
新感線みたいなSE入れてるけど(しかもSEと動きが合ってないけど)、
その「立ち廻りを頑張りました!気合い入れてみました!」で芝居のテーマや情緒消えてもうたやん」
「ちゃうやろ。この芝居で稽古せなあかんの立ち廻りちゃうやろ」
(あるんです。見たんです。誕生日公演で忠治。山形屋からの小松原。
前日から稽古すると聞き取材に行けば彼らがもとい座長が繰り返し繰り返し稽古していたのは
小松原の立ち廻りのみ、しかも提灯燃やすとこだけ、ホントにそこだけ・・・っていう劇団!実話です)
立ち廻り反対。役者なら人情芝居に力を入れろ。などとは言いません。
私の好みは役とテーマを掘り下げた芝居です。
けどそれがいい芝居だとも押し付けません。
人ぞれぞれ。いろんな芝居があるから面白い。
毎日いろんなジャンルの芝居をひとつの劇団がやるというのは大きな魅力。
けれど大丈夫?
見た目の華やかさカッコよさ客ウケ気持ち良さにとらわれて偏ってはいない?
やってて気持ちいいからカッコイイから。
なんか凄いと思わせられるし。新感線みたいなんやってみたいし。
めっちゃ稽古した充実感あるし
(確かにケガと隣り合わせ。生半可な気持ちでは出来ない。体を使うのは事実ですが)
・・・ってなってませんか?本当に大事なのはそこですか?

そんな傾向は舞踊にも見られるように思うんです。
なあに、あの「刀くるくる舞踊」!
刀くるくるくる、刀ひょいっ。
なんかハード系な曲とかに乗せてくるくるくる。
もしくは『羅生門』(怒)とか『アジアの海賊』とかなんだかそれっぽい曲に乗せひょいっ&キメ!
着流しとか時に2.5次元ミュージカルですかゲームのキャラですかみたいな衣裳で
嬉しそうに楽しそうに「どうや!」。拍手。拍手せなしゃーない。「凄いね」しか言いようがない。
いや本当に「カッコイー」って素直な声もかかってるけど。
某大御所いわく「曲芸じゃねーぞ!」「そんなに回したかったら雑技団入れ!」
主に若いコがくるくるしたがる傾向にある気がするがベテランもします。
ある日観たのは若くない役者が『剣ひとすじ』でくるくるの後にバク転ひらり。
腹抱えて笑ってたら一人の若い役者が「桃さん。僕やったら回さないです」
理由をきくと、「ほんまの刀持ったことあるけど回せない、だから僕は回しては踊らないかな」
翌日若い彼は『一剣』で刀は持てど静かに踊っていました。うまくはなかったけど。懐かしい。
いや、くるくるが間違いだとは思いません。
あくまで「俺(彼)の剣ひとすじ」(「俺(彼)の一剣」)。
彼のその曲のそのやり方であり、レパートリーのひとつでしょう。
けれど私は疑問です、他の人は出来ぬ技術があるのはわかります、でもそれどうなんやろなあ。
「くるくるくる、どや!見よ!さあ!」
若いコならば「あー、回したいねんなあ、回してるわ、楽しいんやろな気持ちいいねんなあ」
ベテランならば鼻についたり滑稽に見えて笑いすら出ます。
「ひとりで気持ち良くなってるなあ」
やってて気持ちいいからカッコイイから。俺の技術を見せられるから。なんか凄いと思わせられるから。
刀くるくる回して気持ちよくなりすぎていませんか。くるくる回している自分に酔っていませんか。
「立ち廻りハデハデ芝居」と「刀くるくる舞踊」を「やるな!」「なくせ!」とは思いません言いません。
でも今一番力を入れるべきはそこかなのか。
そこに力を入れている分他に入れるところは本当にないか。
考えられたらいいなと私は思うのです。
私は立ち廻りはあくまで「飾り」「盛り上がる大きな1アイテム」だと思うのです。
刀くるくるはあくまで「ちょっとサービス」くらいのアイテムだと思うのです。
≪そこばっか≫になるのはちょっと違うし、芝居の、舞台の、大事なものを見失っちゃいそうな気がするのです。
そうなったら・・・うーん、ちょっと嫌だな、悲しいな。

少し前。某講演会で某氏。(※この記事でも触れた講演)
大衆演劇・旅芝居の芝居について説明の際にこんなことをおっしゃいました。
「皆さん。旅芝居の芝居といえば立ち廻りでしょう!」
拍手が起こる中客席の片隅で私はちょっと複雑でした。
言いたいことはわかるんです。本当にわかります。
でもそれは「大衆演劇を伝える」伝道師として呼ばれた檀上で言うことなのかなあ。
檀上で、特定して断言して共感を求めるなんて・・・何かもうちょっと言い方があったのではないかなあ。
そうして彼は参考資料に自作の新作の立ち廻りシーンを流しました。
ああ、気持ちよくなってはるなあ。
彼と私はある同じところで「盟友」、そういう芝居≠ェ好きな「同士」だと思っていたし、今も思っています。
が、技とか立ち廻りとか綺麗っぽい台詞とかそんな「飾り」を好む人なのか。
「同士」とは私の片思いだったのか。いや、違う、と、信じたい。
ちょっと気持ちよくなってしまっただけ、ね、きっと・・・。

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